F1 2023 第8戦スペインGP 決勝

レースレポート

ヨーロッパラウンド開幕モナコGPからの2連戦、スペインGPです。
今年からコースレイアウトが変更されました。最終コーナー手前のシケインが廃止され、ターン13→ターン14(最終コーナー)と高速コーナーでつなぐレイアウトとなります。低速コーナーが減ったことで、得するチーム損するチームが出てくるでしょう。

スターティンググリッド

雨がぽつぽつと降るコンディションの中、Q1は各車ソフトタイヤで早々にコースインし、雨が弱い間に一度タイムを出しにいきます。角田裕毅は先頭でピットレーンを出て行きましたが、インラップでブレーキロックさせ一瞬コースオフ!先週モナコでも出たブレーキが温まらない問題でしょうか!?
その後もコースオフするマシンが続出し、レッドフラッグ!8分間の中断の後Q1が再開されました。再開後も各車ソフトタイヤでコースに入り、ドライでのフリー走行と大差ないタイムで走りますが、ところどころウェットパッチがあり、それに足を取られてリアがスナップしたり、スピンしたりしています。
Q1終盤は、路面がどんどん改善されている、いわゆるトラックエボリューションが大きい状態となり、後からタイムを出すマシンが大きく順位を上げる展開!そして、何と、ルクレール(フェラーリ)が19番手となりここで敗退!昨年のポールシッターが脱落してしまいました。
ボッタス、マグヌッセン、アルボン、ルクレール、サージェントがQ1敗退です。
角田裕毅はトップのハミルトンから0.925秒差の14番手、アルファタウリのチームメイト、デフリースは0.644秒差の7番手でQ2に進出!トップチーム勢の中では、ペレスが15番手とギリギリのQ2進出。先週のモナコから流れが悪い状況が続いています。

Q2でも難しいコンディションが続く中、トップチームではペレスとラッセルが苦戦。ラッセルはチームメイトのハミルトンをメインストレートで妨害してしまうような形になり接触がありました!ハミルトンは無線で怒りをあらわにしていましたね。
結局、ペレス、ラッセル、周冠宇、デフリース、角田裕毅がQ2敗退!
角田は最終アタックで11番手タイムを出しましたが、ターン5のトラックリミット違反でタイム抹消され、15番手となってしまいました。ここでも性能的に厳しいマシンを駆り、良い走りをしていましたので、決勝に期待しましょう。

Q3では、フェルスタッペンが余裕のトップタイム!ポールポジションラップはこちら!

2位とはコンマ4秒以上の差をつける圧倒的な予選でした。2番手サインツ、3番手ノリスと今シーズンあまりいいところの無かった二人がトップ3に飛び込んできました。予選4番手のガスリーでしたが、2度の進路妨害にそれぞれペナルティーを課せられ6グリッド降格の10番手スタートとなります。それにより予選5番手~10番手がそれぞれ1グリッドずつ繰り上がり、ハミルトン、ストロール、オコン、ヒュルケンベルグ、アロンソ、ピアストリ、ガスリーの順となります。

最後尾、19番手ルクレールと20番手サージェントはピットレーンスタートを選択しています。ここでセットアップを決勝に合わせて変えてしまい、レースで上位進出を目指すようです。

スタート!

レッドブル勢、フェルスタッペンとペレスはミディアムスタート!その他上位勢はソフトスタートです。サインツ、ノリス当たりがスタートの蹴り出して一波乱起こせば面白いレースになりそうですが、如何に!?

1コーナーはフェルスタッペンが制す!サインツはスリップを使って前に出ようとしましたが、抜ききれず2番手のまま、3番手ハミルトン、4番手ストロール、5番手ノリスとなりました。その直後ストロールがハミルトンを抜き3番手に浮上!

ノリスはハミルトンとわずかに接触しフロントウィングのダメージ!2周目にピットイン!せっかくの予選3番手が水の泡です。

角田裕毅はスタートで大きくポジションアップ!11番手を走行です。ある意味定位置となってきたこのポジションから、更に前を目指したいところ!

7周目、角田裕毅がヒュルケンベルグをオーバーテイクし10番手に浮上!抜けないコースと言われていたバルセロナですが、やはり今年のレイアウト変更でキャラクターが変わった印象です。

8周目、ハミルトンがストロールをオーバーテイク!3番手に浮上!こちらも最終コーナーで後ろにピタリと付け、ホームストレートでDRSを使った典型的なターン1でのオーバーテイクでしたね。

10周目、周冠宇がピットイン!ハードタイヤに交換です。早くもソフトタイヤが限界の時期がやってきたでしょうか?

11周目、ラッセルがオコンを抜きました。12番手スタートから早くも5番手まで上げて来ました。メルセデスのアップデートは決勝でも活きているようで、ハミルトンも含めて良い走りをしていますね。
角田裕毅がピットイン!ハードタイヤに交換です。ピットアウト直後にヒュルケンベルグ、更にその後周冠宇にも抜かれ、一時的に16番手までポジションダウンです。

14周目、オコンがピットイン!これはミディアムに交換ですね!
そのオコンは、バトル中の14番手ヒュルケンベルグと、15番手周冠宇の前方でピットアウトです。ヒュルケンベルグはオコンを抜きにかかるも、抜ききることができず、逆に引っ掛かったような形となってスピードダウン!そこに後ろから周冠宇が迫るも、こちらも引っ掛かる形に。ターン2のエイペックスに付けない2台に対し、角田が一気に差を詰め周冠宇のインを刺す!周冠宇もターン4のブレーキングまでサイドバイサイドで粘りますが、アウト側にいた角田の方が有利なブレーキング勝負で勝ち、コーナリング中に前に出ました!15番手に浮上です!

15周目、角田裕毅前の周でヒュルケンベルグのピッタリ後ろに付け、ホームストレートでDRSオープン!ターン1に入る前にオーバーテイク完了。14番手に浮上です!
この2つのオーバーテイクは、今シーズンの角田選手の良い所が凝縮された見応えのあるバトルでしたね。粘る時は粘る・耐える、そしてチャンスがあれば鋭く決める!素晴らしいですね!

16周目、サインツがピットイン!ミディアムタイヤに交換し、7番手でコースに戻ります。

17周目、ルクレールがピットイン!何とソフトタイヤに交換してコースに戻ります。タイヤのデグラデーションに苦しんでいるフェラーリですが、ここでのソフトタイヤ投入は何を意味するのでしょうか?後方スタートからのギャンブル戦略でしょうか。

20周目、アロンソとガスリーがピットイン!2台ともソフトタイヤに交換してコースに戻ります!当初の予想に反して、ソフトタイヤを使うチームが多いですね。
この時点、角田裕毅は暫定8番手まで浮上です。

25周目、2番手ハミルトンがピットイン!ミディアムに交換し5番手でコースに戻ります。

26周目、ラッセルがピットイン!ミディアムに交換し6番手でコースに戻ります。

27周目、満を持してトップのフェルスタッペンがピットイン!ハードタイヤに交換し、トップのままコースに戻ります!この時点、実質2番手のサインツとは32秒もの差を築いており、余裕がありました。グランドスラムに向けてまっしぐらですね。

28周目、ペレスがピットイン!ハードタイヤに交換しコースにもどります!この時点9番手!これが第一スティント最後ですね・・・角田裕毅はこの時点7番手!
(これが、このレース最速のピットストップ(2.07秒)となったようです。レッドブルはマシンは速いし、ピット作業も早いし、隙が無いですね。)

少し雨が降り出したとのこと。しかしかなり少ない雨のようで、すぐすぐにタイヤ交換とはなりそうにない様子です。

31周目、ペレスがアロンソをオーバーテイクし8番手に浮上!次は7番手の角田裕毅を追います。

33周目、これまで6番手オコンの1秒差前後をキープしていた角田ですが、ペレスに抜かれ8番手に後退。ここは無理にブロックせずターン1で完全に譲りました。

34周目、ペレスはオコンをオーバーテイクし、6番手に浮上!

35周目、ラッセルがサインツをターン1でオーバーテイク!3番手に浮上です!ポディウムが見えてきましたねー。

ストロールと角田がピットイン!ストロールはハード、角田はミディアムに交換しコースに戻ります。角田は早め早めのタイヤ交換でアンダーカット狙いでしょうか?最後までタイヤを持たせるのは大変そうですが、ポイントゲットのチャンスはありそうなので、頑張ってほしいですね!

36周目、オコンがピットイン!ハードタイヤに交換しコースに戻りますが、角田の後ろ14番手です。これは角田裕毅がアンダーカットに成功した形ですね!

39周目、しかし、オコンが角田をオーバーテイクし11番手に浮上。角田は12番手。(他マシンのピットインがあり、順位は上がっていたが・・・)

42周目、サインツがピットイン!ハードタイヤに交換し、6番手でコースに戻る!ルクレールもピットイン!ハードタイヤに交換し、14番手でコースに戻る!この時点、角田は9番手!

45周目、アロンソピットイン!ハードに交換し、10番手でコースに戻ります!

46周目、ラッセルピットイン!ソフトに交換し、4番手でコースに戻ります。

48周目、ホームストレートでアロンソが周冠宇をオーバーテイク!9番手に浮上です。次はその前8番手角田です!

49周目、アロンソが角田をホームストレートでオーバーテイク!8番手に浮上!角田は9番手です。

51周目、2番手ハミルトンがピットイン!ソフトタイヤで2番手キープ!3番手ペレスもそれに合わせてピットイン!ソフトタイヤに交換し、5番手でコースに戻ります!
その傍ら、ホームストレートのピット出口付近で、アロンソがオコンをオーバーテイク!7番手に浮上です。アロンソがトウから抜け出すべく、右にステアリングを切ったのとほぼ同時に、前を行くオコンもブロックラインを取るため右に!結果、激しく幅寄せする形になり、アロンソはピット出口のホワイトラインをまたぎながらのオーバーテイクです!
オコンがまたアロンソに対してやらかしたと思ってましたが、レース後には2人とも「あれは普通のバトルだ」的なコメントを出してましたね。見た目危険そうに見えたのですが、F1ドライバーにとっては普通の出来事だったようです。

53周目、トップのフェルスタッペンがピットイン!ソフトタイヤに交換。余裕しゃくしゃくのトップをキープしたままコースに戻ります。そしてペレスはターン1でサインツを抜き、4番手に浮上!この時点、ファステストラップです。残り13周で、ラッセルまで9秒弱!行けるか!?

56周目、周冠宇が角田に仕掛ける!ターン1でアウト側から抜きにかかるも、イン側にマシンを振ってディフェンス体制の角田を抜ききれず、接触を避けるためエスケープロードに退避!角田はひとまず9番手キープです。周冠宇は「外に押し出された!」と無線でアピールします。

・・・そして・・・角田裕毅に5秒加算ペナルティー!ここまで素晴らしい走りを見せていただけに痛い!この時点後方5秒以内に3台のマシンがいるため、ポイント圏内キープは非常に難しくなってしまいました。残念!

61周目、フェルスタッペンがファステストラップを更新!トラックリミット違反でスチュワードからは警告(ブラック&ホワイトフラッグ)を受けており、チームからは止められていたのに、無視してアタックラップを敢行!余裕の最速タイムとなりました。まあ、独走状態だったので、仮にトラックリミット違反し5秒加算ペナルティーを受けても、順位には何の影響もないということですね。

結局最後まで余裕でトップを走り続けたフェルスタッペンがそのまま優勝!2位ハミルトン、3位ラッセルと、マシンコンセプトをがらりと変えたメルセデスが復活の足掛かりを得たか!?ラッセルは12番手スタートから、見事なオーバーテイクショーでポディウムまでたどり着きましたね。

1位フェルスタッペンと2位ハミルトンの差は24秒!マシンの総合力が試されるこのグランプリで、メルセデスのアップデートが効果を発揮したのは明らかですが、それでもなおレッドブルの総合力の高さには全く歯が立たないというのもまた、明らかになったレースでした。

4位ペレス、5位サインツ、6位ストロール、7位アロンソ、8位オコン、9位角田裕毅、10位周冠宇でしたが、角田の5秒加算ペナルティーで12位に降格、代わりの9位に周冠宇、10位はガスリーが繰り上がりました。

角田裕毅はレース後のインタビューで、何とも言えない悔しそうな表情をしています。後で聞いた話では、5秒加算ペナルティーを食らうことはレース中に伝えられていなかったようです。チームはもう少しやることがあったように思いますが・・・ペナルティーの可能性を認識したなら、周冠宇に一旦ポジションを譲らせるとか、ペナルティーが出た後、ポイントゲットに向け後方と5秒のギャップを作るためにプッシュさせるとか、ペナルティーだと思っていなかったのなら、レース後に再審請求するとか・・・結局何もせずでしたね。

スペインGP終了後のドライバーズランキングはこちら。
ここ数レースうまくいかないペレスを後目に、フェルスタッペンが独走態勢に入り始めました。ペレスにはまだまだ頑張ってもらって、チャンピオン争いを盛り上げてほしいものですが、如何せん、フェルスタッペンの強さがどんどん増している感じで、ペレスが追いつくイメージが湧かないのが現状ですねー。

コンストラクターズランキングは、ダブル表彰台獲得のメルセデスがアストンマーティンを逆転し2番手に浮上しました。アストンマーティンのランキングはストロールの頑張りにかかっている気がしますね。もう少しアロンソに近づければ、メルセデスとの面白い戦いになりそうな気がしますが・・・

レッドブル恒例のレッドブルファイト!毎回思います・・・楽しそうだけど・・・ベトベトになりますよね!?

次回は6/18決勝のカナダGPです。日本時間でいうと6/19(月)の明け方で、日本で暮らす我々にとっては難しいスケジュールですが、頑張って楽しんでいきましょう!

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