F1 2023 第10戦オーストリアGP スプリント

レースレポート
Photo by sebastiaan stam on Unsplash

今季2回目のスプリントフォーマット、オーストリアGPの土曜日です。

まずはスプリントシュートアウト(SQ)ですが、前日金曜日の予選では、何と47件のトラックリミット違反がありました。時間やタイヤの違いはありますが、ノックアウト方式は同じであり、各ドライバーはどう対応してくるでしょうか。

スプリントシュートアウトの前に雨が降り、ウェット宣言が出されました。この宣言により、ウェット向けの僅かなセッティング変更が許可されます。それと、タイヤ選択が自由となるため、SQ1とSQ2のミディアム縛り、SQ3のソフト縛りが解除されます。

スプリントシュートアウト

SQ1では、多くのマシンがソフトタイヤで走行、フェルスタッペン、マグヌッセン、ボッタスはミディアムです。雨で湿った路面が徐々に乾いていくコンディションの中、各車は連続走行でタイムを出しにいきます。
各車、走るごとにタイムを更新していくような展開の中、何度もトラックリミット違反によるタイム抹消が発生し、表示上の順位が目まぐるしく入れ替わっていきます。

結局、SQ1は、周冠宇、ピアストリ、ハミルトン、ボッタス、サージェントが脱落です!ハミルトンはトラックリミット違反でタイム抹消され、18番手に沈む・・・信じられない展開です!
このところ不調続きのペレスも14番手と危ないところでした。せめてスプリントでは輝いてほしいところですが、まだまだ不調は続くのでしょうか。

予選では良いところがあまりなかったアルファタウリ勢ですが、何と2台ともSQ1突破!デフリースが8番手、角田裕毅は13番手でした。角田はセッション中トップ近くをウロウロする時間帯もありましたね。

SQ2では、ラッセルがハイドロ系のトラブルで走行できず、敗退!メルセデスは2台とも、SQ3に進むことができませんでした・・・

アルボン、ガスリー、角田、デフリース、ラッセルがSQ2敗退。

SQ3、たった8分しかない中、レッドブル勢は開始2分以上前からピットレーンに並び、先頭でタイムを出しに行きました。トラフィックにかからずタイムを出すには最適な戦略ですが、待つ間にタイヤは冷えてしまうというリスクもあります。
しかし、そんなリスクは折り込み済みとばかりに、レッドブルの2台が先頭に並ぶ結果に!
フェルスタッペン、ペレス、ノリス、ヒュルケンベルグ、サインツ、ルクレール、アロンソ、ストロール、オコン、マグヌッセンの順となりました。
今週大きなアップデートを持ち込んだ、マクラーレンのノリスが3番手と好調を維持しています。ヒュルケンベルグの4番手は驚きです!レースペースには難ありのハースのマシンですが、ポテンシャルの片鱗を見せています。

スプリントのスターティンググリッドはこちら!

ルクレールがピアストリに対する進路妨害(インピーディング)で3グリッド降格。ターン9のイン側にいたルクレールが、後ろからアタック中のピアストリの進路に被ってしまいました。そもそもピットロード入り口とレコードラインがクロスする難しい場所で、タイミングがバッチリ合ってしまった感じでしたね。フェラーリは今回もミスコミュニケーションでしょうか!?

スプリントスタート!

24周で争われるスプリント。レコノサンスラップ直前に雨が降り始め、インターミディエイトのコンディションです。

インター所々水煙も上がるような路面コンディションの中、ボッタスはミディアムタイヤを履いてフォーメーションラップに出ましたが、無理と判断して、フォーメーションラップ終わりにピットイン!インターに交換してピットレーンからスタートします。

ターン1はペレスがインを刺しトップを奪取!フェルスタッペンがトップを取り返そうと、ペレスに並びかけるも、マシンを寄せられ片輪が芝にはみ出てしまい失速。一旦引いて2番手に留まります。
ターン3でフェルスタッペンがペレスのインを突きトップを奪取!しかしその際、急角度のコーナーでリアがスナップし失速、アウト側のペレスも逃げるような形で失速せざるを得なくなり、フン詰まり状態に!3番手にいたノリスがあおりを食って大失速!10番手あたりに順位を落としてしまいました。
更に、レッドブル2台はターン4にサイドバイサイドで入っていき、アウト側から抜こうとしたペレスでしたが、イン側のフェルスタッペンがトップをキープ!ヒュルケンベルグがそのバトルの隙をついて2番手に浮上!ペレスが欲をかいて逆に損を被った形になりました。

スタート直後の、フェルスタッペンとペレスのオンボード映像はこちら。

このバトルが、今回のスプリント一番のハイライトでしたね。

オープニングラップは、トップがフェルスタッペン。以下ヒュルケンベルグ、ペレス、サインツ、ストロール、アロンソ、アルボン、オコンのトップ8。ターン3でレッドブル2台のバトルに邪魔されたノリスが大きく順位を下げて10番手。角田裕毅は14番手です。

7周目になっても、トップ8は変わらず。コンディション的にバトルは難しそうです。

9位争いでは、ルクレールとノリスのクリーンバトルが繰り広げられましたが、10周目にはノリスが「ペースがない」と少し諦め気味。まだ前を行くルクレールの1秒以内をキープできているんですけどね。フィーリングで言うとそうだってことですね。

12周目、ペレスがヒュルケンベルグをオーバーテイクし、2番手に返り咲き!

13周目には、ターン3後のストレートで、サインツがヒュルケンベルグをオーバーテイク。3番手に浮上です。オープニングラップをうまくやり、2番手まで上がっていたヒュルケンベルグが、ここへ来て4番手まで下がっています。予選は速かったですが、やはりレースペースは厳しいか!?どうやらインターミディエートタイヤがオーバーヒート気味のようです。

15周目、8番手争いでオコン・ルクレール・ノリスのバトル勃発!最終コーナーでルクレールがタイヤをスライドさせ、コース外を走り失速したミスを突き、その後の16周目ホームストレートで、ノリスがルクレールをオーバーテイク!ポイント圏外では激しいバトルです!

17周目、まだ路面がぬれている箇所もある中、DRS使用が解禁されました!
その直後ターン1後のストレートで、ストロールがDRSを使用しヒュルケンベルグをオーバーテイク!ヒュルケンベルグはまたまた順位を下げ、5番手です。次は後ろから同じアストンマーティンのアロンソが迫ってきます。

18周目、ずるずる順位を下げつつあったヒュルケンベルグがピットイン!ミディアムタイヤに履き替えてピットアウト。周辺のライバルよりも先にドライタイヤに履き替えて勝負に出ます。(前の周には、ラッセルとピアストリもドライタイヤに履き替え、最後尾から追い上げようとしているところでした。)この後も中段以下のチームは続々とピットインし、ドライタイヤに交換していきました。

21周目には、アルボン、ハミルトン、ルクレール、ボッタス、ピアストリの5台が絡むバトル勃発!

23周目、ヒュルケンベルグがノリスを抜き、更にその直後オコンまでオーバーテイク!一気に8番手から6番手まで浮上しました!早めにドライタイヤに交換した効果が出ましたね。

フィニッシュ!

結果、1位フェルスタッペン、2位ペレス、3位サインツ、4位ストロール、5位アロンソ、6位ヒュルケンベルグ、7位オコン、8位ラッセルでした。

レース直後、ペレスとフェルスタッペンが口論!?
スタート直後の、押し出し、押し出されのバトルについて、確認をしていたのでしょう。結構長い時間にこりともせずに話をしていました。この2人は何かあっても、いつも表向き「話し合ったから問題ない」ということにしていますが、実際のところは少し違うような気もしますよね。知らんけど。

明日は、いよいよ決勝です。雨のレースはスプリントで堪能しましたので、決勝はドライでガチンコレースが見たいものです。

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