1950年F1初開催の地、シルバーストーンサーキットで開催される、イギリスGPです。高速コーナーの攻略が明暗を分けるであろうこのサーキットでは、ダウンフォースは必要、でもドラッグ(空気抵抗)はできるだけ減らしたい、マシンセットアップのバランスがとても難しいようです。
空力効率が良く、コーナーもストレートもそこそこ速いレッドブルが有利と思われますが、他チームが入れてきたアップデートを機能させ、レッドブルに迫ることができるのか?それともまたレッドブル(フェルスタッペン)の独走となってしまうのか!?楽しみですね。
予選結果(スターティンググリッド)
雨が路面を濡らし、難しいコンディションの中始まった予選。
Q1では早速波乱が起きました。残り約3分、ピット入り口を過ぎたあたりでマグヌッセンのマシンがシャットダウンしてしまい、コース上に車を止め赤旗中断!
この後雨が降ることが予想されていたため、セッション再開の予定時刻も示されていない中、各車ピットレーンに並び、少しでも早くタイムを出しておこうという戦略。
しかし、これが仇になりました!ピットレーンの先頭に並んでいたペレスは、マシン隊列の先頭からタイムアタックに入りました。ペレスがコントロールラインを通過した時点ではトップタイム!その時点の2番手から1秒以上早いタイムでした。・・・が、後続マシンが続々とトップタイムを塗り替えていき、気づけばペレスは16番手。。。Q1敗退です。
結果としては、タイヤが冷え切ってしまいうまく使えなかったペレスと、雨が降らず路面が乾いていく中で、後からアタックする方が有利になる状況が合わさって、ペレスにとっては非常に痛い結果となってしまいました。
大型アップデートを持ち込み、中段上位を目指すアルファタウリ勢も、終わってみれば角田が17番手、デフリースが19番手と、いずれもQ1敗退。今シーズンのアルファタウリの定位置となりつつある順位にしかなりませんでした。アップデートされたマシンの理解が進んでおらず、セットアップが決まっていないからこの順位、ということであればまだいいのですが・・・
Q1終了後コース上にマシンを止めてしまったボッタスですが、予選後、燃料検査にサンプル1リットルのガソリンを提出することができず、予選失格となり最後尾スタートとなります。
驚きだったのはマクラーレンの2台。ノリスが2番手、ピアストリが3番手です!Q1からQ3まで、一部を除いて、常に上位のタイムを出していた2人です。Q3最後の走りで最高のアタックを見せ、マクラーレン勢が最終アタックを終えた時点ではノリスがトップタイム、2番手にフェルスタッペンを挟んで3番手にピアストリでしたが、やはり最後はフェルスタッペンがトップタイムを塗り替え、ポールポジションを獲得!ノリスは惜しくもポールポジションを逃し、2番手からのスタートとなりました。
少し悔しさの残るノリスでしたが、予選後のインタビューでは満面の笑みを見せ嬉しそうにしていましたね。もちろん新人ピアストリも予選3番手をすごく喜んでいました。
決勝スタート!
2番グリッドのノリスが好スタート!ターン1のインを制し、トップに躍り出ました!3番グリッドのピアストリもフェルスタッペンに並びかけましたが、こちらは前に出ることはできず、3番手キープ!
オープニングラップは、ノリス、フェルスタッペン、ピアストリ、ルクレール、ラッセル、サインツ、アロンソ、ハミルトン、ガスリー、アルボンのトップ10です。角田裕毅は、16番グリッドから3つポジションを上げて、13番手です!今年はスタート成功率高いですね!
2周目、ノリスは一瞬フェルスタッペンに1秒以上の差をつけました。まだ2周目とはいえ、この後も期待してもいいのでしょうか!?
5周目、ターン6でフェルスタッペンがノリスをオーバーテイク!トップを取り返します!やはりレースペースではかないません。
6周目、ルクレール対ラッセル、アロンソ対ハミルトンのバトルが勃発!
7周目、ハミルトンがアロンソをオーバーテイクし、7番手を取り返す!
15周目、角田裕毅がピットイン!ハードタイヤに交換です。少し雨が降り出したとの情報もある中、早めのピットインとなりました。ソフトスタートでタイヤがあまり持たなかったようですね。18番手まで下がります。
19周目、ルクレールがピットイン!ミディアムからハードに交換です。この周回数だと2ストップですかねー。直前の無線でエンジニアから「プランBで行く」と言われ、「プランBって何だっけ?」と戦略を忘れていたルクレールでした。
27周目、暫定5番手を走っていたサインツがピットイン!ミディアムからハードに交換です。ちょうどレースの半分を走り切ったところでのハードですから、このまま最後まで走り切る戦略でしょう。ストロールの後ろ12番手でコースに戻りました。
29周目、ここまでソフトタイヤスタートで引っ張ったラッセルがピットイン!ミディアムに交換!9番手でコースに戻ります。これはラッセルかき回してくれるかもしれませんね。
30周、ピアストリがピットイン!ハードに交換です。ラッセルに反応して翌周に入りましたね。
31周目、ラッセルがルクレールをオーバーテイク!
33周目、マグヌッセンがマシンから火を噴き、コース上にマシンを止めました!バーチャルセーフティーカーです!
34周目、セーフティーカーです!上位でタイヤ交換していないマシンは続々ピットイン!
トップのフェルスタッペン・ソフト、2番手ノリス・ハード、3番手ハミルトン・ソフト。セーフティーカー明けのリスタート後、ノリスはハミルトンから追われることになりそうですね!
無線で、後ろのハミルトンがソフトタイヤを履いていることを聞き、自分は何故ハードなのかと不満そうなノリスです。
38周目、セーフティカーのランプが消え、いよいよ次の周からレース再開です!残り14周、戦略のあや、タイヤ選択のあやがレース展開にどう影響するのか!?楽しみなリスタートです!
39周目からレース再開!
いきなりハミルトンから猛攻を受ける2番手ノリス!セーフティーカー中のタイヤ交換でハミルトンはソフト、ノリスはハードを選択。このタイヤの差は厳しいか!?
40周目、なおもハミルトンから猛攻を受けるノリス!何度も並びかけられるも、何とか凌ぎます。
41周目DRS解禁!ハミルトンから真後ろに迫られているノリス、さらに厳しいか!?
43周目の最終コーナーから、44周目にかけて、続々とサインツに襲い掛かる!
最終コーナーでペレスがオーバーテイク、ホームストレートでアルボンがサインツに並び、ターン1でオーバーテイク!そのあとタイヤの新しいルクレールがターン4あたりでサインツをオーバーテイク!
サインツはタイヤが苦しく、ある意味しかたないですね。
フィニッシュ
その後は、上位勢に大きな変化なくフィニッシュ。
1位は盤石のフェルスタッペン、ノリスはセーフティーカー明けの3~4周に渡って、ハミルトンからの猛攻を受けましたが、しのぎ切って2番手をキープ、その後は安定したペースでハミルトンをDRS圏外に置いたまま走り続け、2位表彰台を獲得!ソフトタイヤでの猛攻実らず、3位はハミルトン。
以下、4位ピアストリ、5位ラッセル、6位ペレス、7位アロンソ、8位アルボン、9位ルクレール、10位サインツ、のトップ10でした。
イギリスGP終了後のドライバーズランキングはこちら!
トップのフェルスタッペンは、2番手のペレスに99ポイント差をつけて独走中!3桁ポイント差が見えてきました。モナコGPの予選Q1クラッシュ以降、5戦連続でQ3進出すらできていないペレスは、このレースも15番手スタートから決勝6位と、それなりにポジションを回復してはいるものの、最速マシンに乗っていることを考えると、やや物足りないレースとなってしまいました。本来の力を出せば、フェルスタッペンレベルとまでは言わないまでも、常に2番手にいる位はできるドライバーだと思いますので、後半戦に向けて調子を取り戻してほしいですね。
コンストラクターズランキングはこちら!
トップのレッドブルに関しては、もう何も言うことはありませんね。2番手争いのメルセデスとアストンマーティンは、ドライバーズランキングにも表れているとおり、マルチチャンピオンのハミルトンとアロンソが大量ポイントをもたらし、チームを引っ張っています。
何といっても今回のイギリスGP、主役はやはりこの2人、マクラーレンのノリスとピアストリです!
前回オーストリアGPで投入した大幅アップデートが機能し始めたか、予選・決勝ともに力強い走りを見せ、2位・4位という素晴らしい結果を持ち帰りました。
2位表彰台獲得のノリスは、レース後ドライバー仲間から次々に祝福を受けます。ノリスを特に高く評価しているフェルスタッペンとハミルトンは、自分のことのように嬉しそうにしていたのが印象的でした。
そして、4位獲得の新人ピアストリ!こちらは、タイヤ交換後にセーフティーカーが入り、その間にタイヤ交換したハミルトンに前に出られるという不運があったものの、ノリスに引けをとらない安定した走りで上位をキープし、結果を出しました!
ノリスも言っていた通り、セーフティーカーがなければ3位表彰台をゲットしていたことでしょう。さすがF3、F2でそれぞれルーキーシーズンにチャンピオンを獲得した大型新人ですね。近い将来、表彰台に上がれるといいですね。
レース後のインタビューでも、とても嬉しそうに話すピアストリでした。
マクラーレンの記念撮影風景です。みんな嬉しそうでなによりです。ザク・ブラウンさんの低くて力強い「イェーーー!」をまた聞きたいですね。
センセーショナルなマクラーレンの活躍が光ったイギリスGPでした!
次回は2週間後。2023年7月23日決勝のハンガリーGPです!今回イギリスGP開催地のシルバーストーンとは、大きくコース特性が異なり、ストレートが短く曲がりくねったハンガロリンクです。
チームの勢力図がどう変化するのか、どのチームがサーキットにマシンを合わせこんで来られるのか、興味深いレースとなりそうです。
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