F1 2022 第7戦モナコGP 決勝

レースレポート
Photo by Reuben Rohard on Unsplash

事前の予報通り、モナコGP決勝は雨のレースとなりました。レコノサンスラップ中はドライコンディションでしたが、スタートの約10分前に雨が降り出し、ウェットレース宣言が出されました。ヨーロッパの人たちは少々の雨では傘やレインウェアを使用しないのですが、観客席の皆さん傘をさしたり、ポンチョ的なものを身にまとったりするレベルの雨脚のようです。

予選ではフェラーリのルクレールが圧倒的な速さでポールポジションを獲得しました。フリー走行まではフェラーリが速いのか、はたまたレッドブルが速いのか、どちらがポールをとってもおかしくないと思える展開でしたが、ルクレールは予選で1段階も2段階もレベルを上げてきた感じです。
モナコを得意とするペレスは、フリー走行で好調な走りを見せていました。FP3ではトップタイムを記録するなど充実した走りで、全セッションでフェルスタッペンを上回るタイムを出しました。しかし、予選Q3最後のアタック、ターン8ポルティエの出口でリアをスナップさせ、ガードレールにぶつけてしまい、コース上にストップ、さらに直後を走っていたフェラーリ・サインツは強いブレーキングからペレスのマシンを避けようとしましたが、避けきれず、左リア側がぶつかってしまいました。これにより、赤旗中断から、そのままセッション終了となりました。
後ろからアタックラップを走っていたフェルスタッペンは、セクター1を良いタイムで走っていたものの、道を塞がれてこのラップをあきらめるしかなくなり、予選を4番手で終えました。無線では苛立ちを隠せない様子でしたね。

スターティンググリッド

ルクレール
サインツ
ペレス
フェルスタッペン
ノリス
ラッセル
アロンソ
ハミルトン
ベッテル
オコン
角田裕毅
ボッタス
マグヌッセン
リカルド
シューマッハ
アルボン
ガスリー
ストロール
ラティフィ
周冠宇

序盤

雨の影響により、フォーメーションラップのスタートが2度のディレイで、現地時間15:16、セーフティカー先導でのスタートとなりました。超スローペースで走っているにもかかわらず、アクセルオンしてトラクションをかけた瞬間にリアがスナップするような、とても滑りやすいコンディションです。
2周にわたってフォーメーションラップを続けましたが、雨脚が強まり、とても走れるコンディションではないということで、レッドフラッグが降られ、全車ピットレーンにもどりました。

約1時間の中断の後、セーフティカー先導でのレース再開ですが、いきなりウィリアムズのラティフィーがヘアピンで曲がり切れずにクラッシュ!速度が遅いので大事にはなりませんでしたが、出だしから波乱の予感です。ストロールもターン3あたりでウォールにヒットしたようです。ピットインしてノーズ交換を行いました。

3周目、ローリングスタートでレース再開!まだまだリスクを冒してオーバーテイクを仕掛けられるような状況ではありません。落ち着いたスタートになりました。
1位2位のフェラーリ2台はウェットタイヤ、3位4位のレッドブル2台はインターミディエートタイヤでのスタート。この戦略がどちらに転ぶのか、天気に運命を握られている状況です。・・・と思いきや、国際映像の表示がインターになっていただけで、実際はレッドブル2台もウェットタイヤ(ブルーのロゴ)でした・・・ズコッ!

スタートの周、アルファタウリのガスリーがいきなりピットインしてインターミディエートタイヤに交換!若干ギャンブルですが、後方スタートのガスリーです。失うものはないので、こういう思い切った戦略も必要です。

7周目、ベッテル・角田がピットイン!インターミディエートタイヤに交換です。最初にインターに変えていたガスリーが難しいながらも良いペースで走っているのを見て、早めの決断ですね。この戦略がどう転ぶのか。楽しみと心配が交錯する展開です。

10周目あたりから、インターでペースを上げてきたガスリーが、アルファロメオの周冠宇を追い回すも、ここはモナコ・モンテカルロ、絶対に抜けない!

12周目、ミラボーでガスリーが周冠宇のインを刺す!見事なオーバーテイクでした!そして今度はリカルドを追い回す!

14周目、ガスリーがマクラーレンのリカルドをオーバーテイク!12番手に浮上!

15周目、メルセデスのハミルトンがピットイン!インターミディエートタイヤに交換です。

16周目、3番手ペレスがピットイン!インターミディエートタイヤに交換!5番手でコースに復帰です。ここからペースが上がってくるでしょうが、前はノリス、その前はフェルスタッペンですから、オーバーテイクは相当困難です。これは他者の戦略次第ですね。

17周目、マクラーレンのノリスがピットイン!インターミディエートタイヤに交換!路面は乾きつつあるように見えますが、まだスリックコンディションではないのか。

18周目、ルクレールとフェルスタッペンがピットイン!こちらもインターですね。3番手4番手でコースに復帰!これでペレスはアンダーカットの形で2番手に浮上!トップのサインツはまだウェットタイヤのままですから、実質のトップです!

20周目、リカルド、周冠宇、アルボン、ミック、ラティフィーがスリックタイヤ(ハード)に交換!これはタイムが気になるところ!

中盤戦 ターニングポイント

21周目、サインツがピットイン!ルクレールは「Box」の指示があってピットレーンに入りかけたところで「Stay out! Stay out!」と真逆の指示が飛んできましたが、時すでに遅し!サインツのピット作業完了まで2~3秒間待たされるはめに!Fワード連発で激しい怒りをぶちまけます!
2人ともハードタイヤに交換してコースに戻りました。
ウェットタイヤで走り続けていたサインツのラップタイムが非常に遅く、インターに履き替えて走っていたルクレールが想定以上にサインツに追いついてしまったのを、チームは事前に計算しきれなかったようです。

他車も続々とハードタイヤに交換していきます!
22周目、トップを走るレッドブル勢はフェラーリに追従し、再びピットインでハードタイヤに交換!
この時点、トップがペレス、2番手サインツ、3番手フェルスタッペン、4番手ルクレールです。トップ争いは混とんとしてきました。
今季チーム内では2番手に甘んじているペレスとサインツにとって、千載一遇のチャンスです!ここはモナコ、少々速いくらいでオーバーテイクできるコースではありません。チャンスを掴み取るのか、それとも・・・

26周目、ハースのミックシューマッハがクラッシュで、マシンは大破です!マシンが2つに千切れてしまっています・・・ミックの体は大丈夫なようですが、かなり激しいクラッシュでした・・・
バーチャルセーフティーカー→セーフティーカーです。

この時点、トップがペレス、2番手サインツ、3番手フェルスタッペン、4番手ルクレール、5番手ラッセル、6番手ノリス、7番手アロンソ、8番手ハミルトン、9番手オコン、10番手ボッタス、11番手ベッテル、12番手ガスリー、13番手リカルド、14番手ストロール、15番手角田裕毅、16番手周冠宇、17番手ラティフィー、18番手アルボンです。

終盤戦

30周目、ミックがクラッシュしたバリアの修理のため、レッドフラッグで中断です。レギュレーションでは中断中にタイヤ交換が可能です。残り周回数は47周。ミディアムで走り切るにはちょっと長い、しかし新品ハードタイヤは持っていない。各チームはここからどういうタイヤ戦略でくるのかが見ものです。

31周目から、セーフティーカー先導でスタートです。隊列を整えてからローリングスタートするようです。上位4台レッドブルはトップペレス、3番手フェルスタッペン共に新品のミディアムタイヤ。それに対してフェラーリ勢、2番手サインツ、4番手ルクレール共に中古ハードタイヤでのスタートです。

33周目、リスタート!ローリングスタートでは波乱は起きないですね。全車安全なスタートを切りました。

赤旗中断を挟んだことで、3時間+1周に切り替わったこのレース、残り10分あたりから、ペレスがタイヤのグレイニングに苦しみ始めました。2番手のサインツ、3番手のフェルスタッペン、4番手のルクレールがグッと差を縮めてきました。
4台のマシンが連なるトップ争いで、見た目非常に緊迫した終盤の展開です。しかし、ここはモナコ、たとえ真後ろまで迫ってもオーバーテイクは至難の業です。
トップのペレスはタイヤに苦しみながらも、唯一のオーバーテイクポイントであるヌーベルシケインだけは絶対にミスをしないという走りを見せ、トップを堅持。
結局その後、上位4台の順位が入れ替わることなく、そのままゴールしました!

レース結果

優勝はペレス!2位サインツ、3位フェルスタッペン、4位ルクレール、5位ラッセル、6位ノリス、7位アロンソ、8位ハミルトン、9位ボッタス、10位ベッテル、までがポイントフィニッシュ!

地元モナコで完走すらしたことのなかった不運のルクレールには、今年も運が回ってくることはありませんでした。ポールポジションから失意の4位フィニッシュです・・・
「こんなことやってちゃダメだ・・・」ってねー、言いたくなりますよね。

昔からモナコが得意だったペレス。速いマシンを手に入れ、遂にモナコ初優勝です!これは嬉しいですねー。表彰台で男泣きするペレスを見て、ジーンときましたね。

この結果、ドライバーズランキングはこちらのとおり!

トップのフェルスタッペンと2番手ルクレールの差が9ポイントに広がり、ペレスがルクレールと6ポイント差まで迫る3番手です。チャンピオン争いは混とんとしてきました。シーズン序盤の調子の良いうちにポイントを稼いでおきたかったフェラーリですが、ここへ来て運に見放されています。まだシーズンも序盤ですが、今期の盛り上がりのためにも、強いフェラーリを取り戻してもらいたいものです。

コンストラクターズランキング

レッドブルvsフェラーリの一気打ちは、レッドブルに流れが傾きつつありますね。シーズンを面白くするためにも、フェラーリには巻き返しをお願いしたいところです。

次は同じくストリートサーキットながらも、全く特性の異なるアゼルバイジャンGPです!ストレートのレッドブルとコーナーのフェラーリの戦いとなるのか、それともメルセデスが覚醒する時かくるのか!?楽しみに待ちましょう!それでは!

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