F1 2023 第4戦アゼルバイジャンGP 決勝

レースレポート
Photo by Orxan Musayev on Unsplash

スターティンググリッド

低速コーナーの速さに分があるフェラーリと、どこでもそこそこ速いレッドブルの戦いは、イーブンといったところでしょうか。ポールポジションはルクレール(フェラーリ)、フロントロウ2番手にフェルスタッペン(レッドブル)、3番手ペレス(レッドブル)、4番手サインツ(フェラーリ)のトップ4です。
注目は、全ての新品ソフトタイヤを投入したことが功を奏し、Q3進出を果たした角田裕毅(アルファタウリ)が、今季最高の8番手スタートです。今期、性能の出ないマシンに苦戦しながらも好走を続け、毎レースマシン性能以上の結果を持ち帰っている角田ですが、今回は8番手からどんなレースを見せてくれるのか、非常に楽しみです。

スタート

上位勢は大きな波乱なく順当なスタート!
オープニングラップは、ルクレール、フェルスタッペン、ペレス、サインツ、ハミルトン、アロンソ、ストロール、ノリス、ラッセル、角田の順でコントロールラインを通過していきました。期待の角田は2ポジションダウンです。

4周目、DRSを開いたフェルスタッペンが早くもトップのルクレールをオーバーテイクし、トップに立ちます!DRSを開けると凄まじい速度差でサクッと抜いて行きましたね。これはなす術なしです。

6周目、今度はペレスがルクレールに襲い掛かる!DRSを使ってターン1でオーバーテイク!こちらもあからさまな速度差で抜いていきました。

7周目、アルファロメオのボッタスがピットイン!これは早いタイミング!ミディアム→ハードに交換しコースに戻ります。このタイヤで最後まで走り切る作戦でしょうか!?

8周目、アルボンがピットイン!こちらもハードに交換!

9周目、角田裕毅がピットイン!ハードタイヤに交換し、コースに戻ります。ピアストリも同時にピットインしており、2人とも、前の周にタイヤ交換していたアルボンの前をキープしました。

10周目、ハミルトンがピットイン!
直後にデフリースがストップ!左フロントタイヤが、よそ向いちゃってます!手前のコーナーでウォールにヒットさせてしまったようですね。激しいクラッシュではありませんが、これでは動くことができません。この時点では、まだダブルイエローです。

11周目、フェルスタッペンがピットイン!ハードタイヤに交換してコースに戻ります。ダブルイエローで後続車がタイムロスする間に少しでも稼ごうという戦略的なピットインのようです。
しかし・・・その直後にセーフティーカー!この後ペレスがピットインしてタイヤ交換すれば、トップのまま戻れますね。これはラッキーです。

12周目、ペレスを先頭に続々とピットイン!ペレスとルクレールがフェルスタッペンの前に立ちます。フェルスタッペンはルクレールをすぐに抜くでしょうが、その後のフェルスタッペン対ペレスの対決が見ものですね

14周目リスタート!やはりフェルスタッペンはすぐにルクレールを抜いて2番手に浮上!アロンソはサインツを抜いて4番手に浮上!
中段では10位争いをする角田裕毅とピアストリがバチバチのバトルを展開している模様!国際映像の左上に表示されている順位が、TSUとPIAの入れ代わり立ち代わり状態です。

その後は、順位変動の少ない淡々としたレースが続きます。ストレートが長く、オーバーテイクがし易いとされているバクー市街地サーキットですが、DRSゾーンが短くなった影響か、はたまた乱気流が増えて後ろのマシンがついて行くのが難しくなった影響か、それとも、みんなタイヤの状態がほぼ一緒だからなのか、とにかくアクションの少ないレース進行です。

そんな中、中段で粘りの走りを見せる角田裕毅は、ヒュルケンベルグを先頭とするDRSトレインの中で前を伺いますが、なかなかチャンスがありません。10番手ヒュルケンベルグ、11番手ノリス、12番手角田、13番手ピアストリがそれぞれ1秒以内をキープしたままです。
角田はマクラーレン勢の間に挟まれ、前も後ろも見ながらのミスのできないバトルを長時間にわたって繰り広げています。低速コーナーの続くセクター2が速いマクラーレン勢に対し、ストレートで取り戻す角田という構図で、どちらにも決め手がなくトレインのまま走り続けることになりました。

F1公式Twitterは、23周目時点でスタート順位から10ポジションアップしているオコンとヒュルケンベルグに拍手を入れてますが・・・この2人はハードタイヤでスタートし、セーフティーカー中もステイアウトしたため、タイヤ交換義務を消化していません。これはただの見た目上の順位ですね。
という訳で実質の順位は、9番手ノリス、10番手角田、11番手ピアストリという状況です。
マシン性能に劣る角田裕毅が、後ろからプッシュしてくるピアストリを抑えきってポイントゲットなるか!?

34周目、トップを走るペレスが、ターン15の侵入前にアウト側のウォールに軽く接触!せっかくの優勝チャンスを棒に振りかねないミスでしたが、マシンには異常なし!
追い上げてくるフェルスタッペンのプレッシャーを感じながらのミスだったのかもしれませんね。ヒヤリとしたシーンでした。

46周目、ハードタイヤでスタートし、ここまでタイヤ交換なしで走り続けていたヒュルケンベルグのタイヤが急激に垂れはじめ、ノリスに煽られます。そして、ターン7でノリスがヒュルケンベルグをオーバーテイク!長きにわたって続いていたDRSトレインの一角が崩れます。
ノリスの本来のペースは、ヒュルケンベルグよりもかなり速く、オーバーテイク後は一気に2秒以上の差を広げてしまいました。
一方、その後ろにいた角田裕毅は、まだしばらくヒュルケンベルグに引っ掛かったままオーバーテイクできず、その間にノリスに逃げられ、差は3秒以上に広がってしまいました。ここからノリスを追い上げて抜くのは、残り周回数とマシン性能を考えると難しいでしょう。

フィニッシュ!

接近戦ではなかったですが、数秒離れたペレスvsフェルスタッペンのバチバチで緊張感のあるチームメイトバトルでした。いつもの展開で、フェルスタッペンがペレスを抜いて優勝!となるかと思いきや、ペレスが最後まで粘り抜いてトップを堅持。そのままフィニッシュです!
さすが、キングオブストリート!ちょっと前までは、たまたまでしょうと思っていましたが、ペレスは本当にストリートサーキットに強いですね!!速さがあり、運も味方につけた快勝劇でした!

結果、優勝はペレス、2位フェルスタッペン、3位ルクレール、4位アロンソ、5位サインツ、6位ハミルトン、7位ストロール、8位ラッセル、9位ノリス、10位角田裕毅でした!

3位ルクレールは今季初表彰台!そして、特質すべきは、10角田裕毅でしょう!
マシンのアップデートと、サーキットとの相性の良さがあったとはいえ、マクラーレンのノリスに食らいつき、ピアストリは引き離す素晴らしい走り。ムダなバトルはせず、前を走るノリスのDRS圏内を維持し続ける粘りの走りでした!

アゼルバイジャンGP後のドライバーズランキングはこちら!
2番手ペレスが、トップのフェルスタッペンと6ポイント差まで迫っています。ワンチャンスで逆転可能なポイント差ですね。
今回は表彰台に上がれなかったアロンソですが、ランキング3番手はしっかりキープしています。

コンストラクターズランキングはこちら!
レッドブルが圧倒的過ぎて、チャンピオン争いはつまらない感じですが、アストンマーティン、メルセデス、フェラーリの2番手争いは熾烈ですね。そして中団勢は更に接戦模様です!
今後の各チームの開発がどうなるのか。それによる勢力図の変更は?今年のF1の楽しみ方のひとつですね!

次回は、2週連続開催のマイアミGPです。昨年初開催の際には、暑さと路面の滑りやすさにドライバーたちは翻弄させられていました。暑いのは仕方ありませんが、路面の改善には期待したいところです。
ドライバーやチーム関係者にとっては、移動と時差調整が大変そうですが、是非ワクワクするようなレースを見せて欲しいですね!

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