F1 2021 第18戦メキシコシティGP フリー走行3&予選

レースレポート

前日のフリー走行2では圧倒的に速いタイムを出したフェルスタッペン、フリー走行1、2ともにハミルトンを上回るタイムを出したボッタス。堅実な雰囲気のペレス。一夜明けてそれぞれがどのような調整をしてきたか楽しみな2日目です。
前戦アメリカGPで今シーズンのベストレースと評された、アルファタウリ・ホンダの角田裕毅。今回も初走行のサーキットながら、フリー走行1、2では11番手と8番手のタイムを出しました。相変わらずガスリーには及ばないものの、良い位置に付けています。今日はますます進化した走りを見せてくれるのか、ひとつの見どころです。PU交換ペナルティで決勝は最後尾スタートが決まっているので、予選フルアタックはしないかもしれませんが、経験を積むためにも是非本気で予選を戦ってみてほしいですね。

FP3

角田裕毅は最初にコースインして積極的に周回を重ねています。やはり初走行のサーキットなので、走行距離を稼ぎたいということでしょう。ユーズドのソフトタイヤで良いタイムは出せていませんが、ここはロングランと確認走行に徹している感じですかね。
レッドブルとメルセデスはセッション中盤までコースインせず、路面改善待ちの様子。走行開始後すぐにボッタスがトップタイムを更新しましたが、満を持して一番最後にコースインしたフェルスタッペンがあっさりとボッタスを上回るトップタイムを更新しました。レッドブル有利はゆるぎなさそうです。
ここへ来てフェラーリも好調そうで、トップ2チームに続く位置をキープしそうです。サインツが5番手タイムを出しています。
そしてそのすぐ後ろの6番手タイムを出したのが角田裕毅!5番手サインツとは0.008秒差、トップからは1.013秒差です。フリー走行とはいえ、8番手ガスリーも上回っており予選の走りが楽しみです。ペナルティを受けるとはいえ、やはりフルアタックを見てみたいですね。

トップタイムは地元の英雄ペレス!1:17.024。このタイムを出した時の客席は本当に大騒ぎでした。オンボードカメラにもスタンドからの歓声が聞こえるくらい大きな声と、拳を天に突き上げるジェスチャーでペレスにエールを送っています。素晴らしい雰囲気ですね。最後のアタックで少しミスのあったフェルスタッペンは2番手、トップのペレスからは0.193秒差です。メルセデス勢はハミルトンが3番手、ボッタスが4番手ですが、2人ともトップタイムからは0.6秒以上の圧倒的な差をつけられています。ハミルトンは無線でペレスと0.65秒というタイム差を伝えられ、「0.65秒!?マジ?」みたいなちょっと混乱しているような返しをしてました。それくらい大きな差ということですよね。いつも予選で挽回してくるハミルトンですが、今回のこの差はかなり厳しそうです。フリー走行では1度もミディアムタイヤを使わなかったメルセデス、ソフトタイヤの新品は3セットしか残っていません。不気味なタイヤの使い方をしていますので、予選~決勝でタイヤをどうやりくりするのか、戦略も興味深いですね。

予選Q1

上位勢がタイムアタックを始めたセッション中盤、残り10:58、最終コーナーでストロールがクラッシュ!リアを滑らせてスピンしながらアウト側の衝撃吸収バリアに当たってしまいました。赤旗中断です。アタック途中だった人たちは1セット新品タイヤを損しました。レッドブルとメルセデスはそのタイヤでも余裕でQ1突破できますが、中段勢は拮抗しているので、タイヤの使い方が悩ましいところです。

再開後、サインツがノーパワーを訴えスロー走行したものの、無線の指示に従い手順を踏んだ結果、息を吹き返しました。よかったです。中段勢はマクラーレンが新品タイヤを履いてきましたが、他チームは赤旗前に履いていたタイヤでそのままアタックに挑んでいます。

1回目のアタック後、トップフェルスタッペン、1:16.788!Q1も好調ですね。0.663秒差で2番手ペレス。3番手ボッタス、4番手ノリス、5番手ハミルトンです。メルセデス勢は、クールダウン&チャージラップ後、同じタイヤのまま2アタック目、タイムを更新して、2番手ボッタス、3番手ハミルトンとなりました。その後ペレスも2アタック目を実施しタイム更新!3番手に上がりました。

その後セッション終盤に向けて、中段勢のタイムの出し合いで目まぐるしく順位の変動がありました!
トップはボッタス、2番手ルクレール、3番手フェルスタッペン、4番手ガスリー、5番手ペレス、6番手ハミルトン、7番手角田裕毅!アルファタウリの2人はなかなか良い感じですね。ルクレールこそ上にいるものの、その他マクラーレン、アルピーヌ、アストンマーティンあたりのライバル達より上位です!フリー走行では、ストレートで角田のスリップストリームをガスリーに与えてタイムを稼ぐ練習をしてましたので、Q2あたりから実行に移してくるかと思いますが、このQ1の順位が本物の実力どおりなら、Q2ではその必要はないということになりますね。
ここで敗退は、アロンソ、ラティフィ、シューマッハ、マゼピン、そしてクラッシュを喫したストロールです。アロンソはミスかタイミングの問題でもあったでしょうか。

Q2

なんと、ピットで待機中の角田とオコン以外、出走した全員がミディアムタイヤ!こんなの過去ありましたっけ?上位7~8台がミディアムで、中段以降はソフトという状況はよく見かけますが、全員とはなかなか珍しいのではないでしょうか。

遅れて出走した角田とオコンはソフトタイヤでした。本当に全員ミディアムという状況は見られませんでした。1発でQ3進出を狙います。後方スタートが決まっていますが、やはり経験のためと、Q3でガスリーをサポートするための戦略でしょう。1アタック目終了時点で3番手タイムを出しました。周りがミディアムタイヤのため、単純比較はできませんが、なかなかいい仕事したんじゃないでしょうか。

この時点、トップがフェルスタッペン、2番手ハミルトン、4番手ボッタス、5番手ルクレール、6番手ペレスです。2アタック目、中段勢のタイヤ戦略が見ものですね。

2アタック目、最初に出て行ったサインツあミディアムです。ペレスもミディアム、フェルスタッペンはソフト!これはどうなる?タイム更新して、ソフトスタートにするのか、それともQ3に向けての練習ラップで、最後はバックオフするのか?
角田裕毅はユーズドのソフトでコースイン、やはりガスリーにスリップストリームを使わせる戦略です。この時点9番手のガスリーですから、確実にQ3に進出させるためですね。
そのアタックでガスリーは5番手タイムを出し、難なくQ3進出です!アルファタウリ勢、やはり良い感じです!
PU交換によるグリッド降格が決まっているノリスと角田がQ3に残りました。降格組は予選をあまり走らないこともありますが、今回は同じ境遇が4人も居ますので、その中でのスタート順争いになりますね。

Q2敗退は、ベッテル、ライコネン、ラッセル、ジョビナッツィ、オコンです。マシンの実力通りな印象です。

Q3

1回目アタック。なんとボッタスがトップタイム!1:15.875!そして0.145秒差で2番手ハミルトン!3番手フェルスタッペンはトップから0.350秒差、4番手ペレスは0.467秒差です。フリー走行とは真逆の結果になってますが、メルセデスはフリー走行では何か隠していたのでしょうか?いきなりグッと上げてきました!
ストレートで角田のスリップストリームを使わせてもらったガスリーは、思惑どおり5番手!6番手ルクレールとは0.353秒もの差をつけています。これはいい感じですね!

2回目アタック。何とペレスがコースオフ!スリップを使うために後ろを走っていたフェルスタッペンも割を食ってタイム更新できません!他マシンもあまりタイム更新はなく、ほとんど1回目アタックの順位のままでした!前方でコース外を走っていた角田の姿が気になったでしょうか!?

トップはボッタス!、2番手ハミルトン、3番手フェルスタッペン、4番手ペレス、5番手ガスリー、6番手サインツ、7番手リカルド、8番手ルクレール、9番手角田裕毅、10番手サインツでした!

いやーフリー走行の流れからは信じられないメルセデスの大逆転でした!そして、ボッタスはハミルトンを上回り続けましたね。今回ばかりはハミルトンも完敗といった感じですが、メルセデスチームとしては最高の結果を出しました。
3番手に沈んだフェルスタッペンですが、予選終了後のジェンソン・バトンのインタビューでは、まだまだ自身ありげな表情だったのが印象的です。レースペースに自信があり、戦略で何とかできると思っているんでしょうね。

明日のスタートでは、最低限ボッタスとハミルトンの間に割って入りたいですね。2人を分断すれば、勝ち目は出てくるでしょう。
決勝ではメスセデスとレッドブルのガチンコ勝負が見られそうで、非常に楽しみです!

5番手ガスリーの戦いにも注目です。角田は後方グリッドからのスタートですので、一人で上位勢を渡り合って、何かの隙に上位に顔を出してくれると楽しいですよね。

それでは、みなさん決勝も頑張って!!

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