F1 2022 第10戦イギリスGP 決勝

レースレポート

ドライコンディションのFP3で圧倒的な速さを見せ、ウェットコンディションの予選でもQ3の最終アタック前までは別次元の速さを見せていたレッドブルのフェルスタッペンですが、最後の最後Q3最終アタックでは、イエローフラッグの影響を受けポールポジションを逃しました。そこで、幸運にもポールを奪い取ったのがフェラーリのサインツ!キャリア150レース目にして初のポールポジションです!2022シーズンはルクレールの後塵を拝することが多く、その焦りから、らしくないミスを繰り返していたサインツですが、伝統のシルバーストーンで初ポールとは、素晴らしいですね。気分もいいでしょう。
そして、フェルスタッペンに影響を与えたイエローフラッグを出したのが、予選3番手のルクレールです。予選アタック中にスピンしたようですね。チャンピオン争いに生き残るためには、フェルスタッペンの後ろを走り続けることはできません。本来の速さを出せるドライコンディションの決勝ではトップ争いを演じてくれるでしょうか!?期待してスタートを待ちましょう!

スターティンググリッドはこちら

1.サインツ
2.フェルスタッペン
3.ルクレール
4.ペレス
5.ハミルトン
6.ノリス
7.アロンソ
8.ラッセル
9.周冠宇
10.ラティフィ
11.ガスリー
12.ボッタス
13.角田裕毅
14.リカルド
15.オコン
16.アルボン
17.マグヌッセン
18.ベッテル
19.シューマッハ
20.ストロール

スタートタイヤは戦略が大きく分かれました!ミディアムスタートが多いなか、2番手フェルスタッペンがソフト、8番手ラッセルがハードでスタートです。
フェルスタッペンはスタートで一発かましてやろうとしてますねー。ポールのサインツは気負わずまともにスタートできるかが鍵ですね。

スタート直後に周冠宇が大クラッシュ!

スタート!やはりソフトタイヤのグリップを活かしてフェルスタッペンがトップを奪取!サインツは2番手に下がります。そして5番手スタートのハミルトンが3番手に浮上!素晴らしいスタートでした!逆に4番手ペレスは蹴り出しが悪く、6番手まで下がる。

スタート直後の1コーナーで大クラッシュ発生!周冠宇のマシンがひっくり返っていたようです。一体何が起きたのか!?ラッセルがストップし、アルボンもストップ、角田裕毅はフロントウィングを失い、オコンは右フロントタイヤが壊れ、という状況。周冠宇の映像が映らないのが心配です。

数十分後、周冠宇の無事が報告され、場内は拍手に湧きました!各チーム、ドライバーたちもひとまず安堵の表情に見えます。いやー本当に無事で良かった!!
(後の情報、アルボンがクラッシュの影響で病院に搬送されましたが、大きなケガ等はなく、その日の夜には退院し、次のレースへの意欲を見せているそうです。良かった!!)

リスタートはスタンディングスタート

リスタートは予選順に戻してスタンディングスタートです!
中断中に修理できたマシンは再びグリッドに着くことができました。再スタートです。
1コーナーは何とかサインツが制す!えげつない幅寄せを見せました。絶対に譲らない意思の表れでしょう。ペレスとルクレールも前を伺い、フェラーリとレッドブルの激しい攻防、若干の接触もあったようです。ペレスのフロントウィングはダメージを受けている模様。ペレスは6周目にピットインしミディアムタイヤに交換。このまま走り切る作戦でしょうか?

アルファタウリのガスリー・角田、そしてオコン、ラティフィー、ベッテルがソフトタイヤでのスタート、その他はミディアムタイヤスタートです。

サインツはファステストラップを出しながら逃げようとしますが、フェルスタッペンはそれを許さず、1秒差以内をキープしてプレッシャーをかけます。

10周目、サインツがオーバーランしてコース外走行!スピードが落ちたところでフェルスタッペンが前に出ました!トップを奪い取りました。

11周目、角田とガスリーが接触!?2台ともスピンして大きく順位を落としました!これはいけません。マルコ爺さんに怒られるやつですねー。ガスリーはリアウィングにダメージがあります。角田には5秒加算ペナルティーが出ましたね。無線では怒ったような口調の角田でしたが、完全に責任は角田側にあったようです。

12周目、サインツがフェルスタッペンを抜き返す!フェルスタッペンがピットイン!どうやらスローパンク(?)があったようです。6番手まで下がってしまいました!タイヤを変えて出てもペースが上がらない!どうやらマシンの何かが故障しているようです。
チームからの無線でフロアに問題があるとのこと。デブリか何かを踏んでダメージを受けたと思われます。(後でわかったことですが、角田とガスリーの接触で出たデブリを次の周にフェルスタッペンが踏んでしまい、フロアが壊れてしまったようです。空力性能が一気に落ちてパンクしたように感じたようです。)

この時点でトップはサインツ、2番手ルクレール、3番手ハミルトン、4番手ノリス、5番手アロンソの上位争いです。ルクレールはサインツとの差を徐々に詰めていきDRS圏内に入ります。チームに対し「これ以上オレはどうすればいいんだ?」と暗にチームオーダーを要求しましたね。その後フェラーリはハミルトンが迫って来ているからペースを上げるようにサインツに無線で何度も伝えます。

20周目、サインツがピットイン!ハードタイヤに交換です。
これはルクレールの要求に応じた、無言のチームオーダーですね。これでサインツは一旦3番手まで下がりました。トップはルクレールに変わります。ここから自分のペースで走れますね。この時点で2番手ハミルトンはルクレールに3秒以内まで迫っています。

ルクレールのペースが上がらない、というよりはハミルトンがペースを上げてきたか!?1周コンマ2~3秒ずつ差を詰めていきます。今シーズン苦しんでいたメルセデスですが、アップデートによりレースペースではトップに付いていけるくらいの速さになっていますね。いよいよ盛り返してきたかメルセデス!

25周目、フェルスタッペンがピットイン!ハードタイヤに交換です!
手負いのマシンでペースの上がらない状態ですから、この後最後まで走り切って何とか入賞はしようという戦略でしょう。8番手まで下がります。
そして、フロントウィング交換で大きく順位を落としていたペレスが、ここへ来て6番手まで上がってきています。これは素晴らしい追い上げ!

26周目、ルクレールがピットイン!ハードタイヤに交換し、サインツの後ろで合流!
ハミルトンが暫定トップに立ちます!ピットストップ前の暫定順位とはいえ、今シーズン初の光景ですね。

28周目、ガスリーにオレンジボールが提示されました。修理のためピットインする必要があります。角田との接触でダメージを負った箇所が脱落しそうにでもなったのでしょう。本当に残念です・・・ガスリーはそのままリタイアを選択しました。

31周目、チームから言われたターゲットタイムで走れず、トップのサインツがルクレールにトップの差を譲ります!サインツにとっては屈辱的ですが、フェラーリチームとしてのハミルトンに勝つための戦略ですね。

33周目、ハミルトンがピットイン!ハードタイヤに交換。3番手でコースに復帰します。ここからトップ2台より新しいハードタイヤでプッシュし、最後に追い抜こうという戦略ですね。約4秒後方からどこまで追い上げられるか見ものです!

37周目、フェルスタッペンはアルピーヌのオコンにも抜かれ、9番手にダウンしました。ハミルトンはファステストラップを出しながら2番手サインツを追いかける!約2秒差!

39周目、オコンがスローダウンしてストレート上でストップ!セーフティーカーです。ここで各チームどう出るか!
トップのルクレールはステイアウト、2番手サインツ、3番手ハミルトン、4番手ペレスはピットイン!ピットイン組は軒並みソフトタイヤに交換しています。トップのルクレールは14周古いハードタイヤで、新品ソフトタイヤで真後ろまで迫ったフェラーリ・メルセデス・レッドブルを抑えないと勝てません。これは厳しい!ドライバーズチャンピオンシップのことを考えると、ルクレールBOXでサインツステイアウトで後続の邪魔をするという戦略もありだったかと思いますが、ここはチームとして最大限の成果を上げるための戦略でしょう。

セーフティーカーの後ろで隊列が整う中、トップはルクレール(古いハードタイヤ)、2番手サインツ、3番手ハミルトン、4番手ペレス、5番手アロンソといった上位勢でリスタートを向かえます。

43周目リスタート!残り10周です!
まずは4番手ペレスがハミルトン、2番手サインツがルクレールをそれぞれオーバーテイク!
トップサインツ、2番手ルクレール、3番手ペレス、4番手ハミルトンの順に変わりました!

2~4番手はさらに激しい攻防が続きます。トップのサインツは良いペースで逃げに入っています。
45周目、ペレスがルクレールを抜こうとしている隙をついてハミルトンが2台抜き!ペレスもルクレールの前にでる、今度はペレスがハミルトンを抜き返す、ルクレールもハミルトンを抜き返す!これはすごい戦い、そこに5番手アロンソも絡んでくる!ものすごい激しい戦いです!
この時点、2番手ペレス、3番手ルクレール、4番手ハミルトンです!

47周目ハミルトンがルクレールに何度も仕掛ける!
48周目ハミルトンがルクレールにピタリと着けて追走後、オーバーテイク、しかしコプスでまた抜き返す、しかしまたまたハミルトンがルクレールを抜き返す!ルクレールは古いタイヤでよく耐えましたが、力尽きハミルトンに差を広げられ始めました。

50周目、7番手フェルスタッペンは、勢いのある8番手シューマッハに仕掛けられましたが、何とか持ちこたえてポジションキープ。これはフェルスタッペン、手負いのマシンで全くペースがないですね。

51周目には、トップ4の争いも落ち着いて、サインツの優勝が濃厚です。

フィニッシュ!サインツがキャリア初優勝!

ファイナルラップ、万全のサインツがキャリア150レース目にして初優勝です!2位はペレス、フロントウィングを壊して最下位まで落ちた後のスーパーリカバリでした!3位はハミルトンでファステストラップも獲得!いよいよメルセデスは復活の兆しを見せてきました。4位はルクレール、5位アロンソからのプレッシャーに耐えて、何とかダメージを最小限に抑えたレースでした。

パルクフェルメに戻って来たサインツは、マシンの上に立ちガッツポーズ!いやはや、絵になる男ですね!初優勝おめでとう!2位のペレスも笑顔でサインツを称えました。ナイスガイですね。

セーフティーカーとチームの戦略に助けられたのは事実ですが、そこまでも良い走りをしていたサインツは優勝に値する働きをしたと思います。

また、セーフティーカーが入る「演出」があったとはいえ、リスタート後のペレス・ハミルトン・ルクレールの2位をかけた戦いは近年稀に見る激しい攻防でした!いやーいいもの見せてもらいましたね。

そして、ミック・シューマッハは8位でF1初ポイントを獲得です。最後はフェルスタッペンを追い回しもう少しで7位も取れそうな勢いでした。フェルスタッペンの意地のブロックでオーバーテイクはできませんでしたが、それでもよく頑張りましたよね!

それに引き換え「同期」の角田裕毅は信じられないチームメイトへの接触で、マシンにダメージを負った上に5秒ペナルティーも受け、完走者の中では最下位という散々な結果でした。当てられたガスリーに至っては、リアウィングを壊してオレンジボールを提示され、ピットインしたけど諦めてリタイアという、アルファタウリチームとして最悪のレースになってしまいました。
角田選手は自分の責任を認めて、チームにもピエールにも謝罪したようですが、チームもピエールも激おこのようですね(表向きはそうでもないように見せていますが・・・)
チームとしっかり話し合って、2度とこのようなミスの無いよう、でも小さくまとまることの無いよう頑張ってほしいですね。

ただ、これだけ色々あったレースの中で、スタート直後に事故ってしまい、不運にも大クラッシュしてしまった周冠宇とアルボンですが、2人とも無事だったことがこのレースの一番良かったところですね。

イギリスGP終了後のコンストラクターズランキング!
レッドブルの圧倒的優位は変わりませんが、フェラーリは速いにも関わらず取りこぼしが多かった上でのこの状態です。まだまだレースはたくさん残っていますので、最後までどうなるかは分かりませんね。

ドライバーズランキングはこちら!
初優勝のサインツは、壮絶なバトルの末4位まで下がったルクレールとのポイント差をグッと縮めました。フェルスタッペンが7位に沈んだのに対し、ペレスは後方から追い上げ2位をゲットしたので、こちらもポイント差が少し縮まりました。
今シーズン序盤に苦しんだサインツが徐々に乗れて来ているので、フェラーリはチーム内の争いも激化しそうな予感がしますね。

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