F1 2023 開幕戦バーレーンGP

レースレポート

長いようで短かったオフシーズンを終え、新しいシーズンがやってきました!F1 2023シーズンの幕開けです。ここ数年で恒例となったバーレーンでの開幕戦です。

新レギュレーションでグランドエフェクトカーに変わった2022年シーズンを経て、2023年は大きなレギュレーション変更はなく、各チームがマシンをどれだけ進化させられたかの勝負になります。

同じくバーレーンで行われた公式テストでは、今年もレッドブルは速そうで、フェラーリとメルセデスは相変わらず後れを取っており、サプライズはアストンマーティンの大躍進、といったところでしょうか。
アストンマーティンに移籍し、いきなり絶好調のアロンソですが、浮かれる様子もなく、「まだトップを争うような状況じゃない。この後に続く開発のベースに過ぎない。」と、冷静で抑え気味のコメントをしているようですね。アロンソらしからぬコメントですから、逆に期待してしまうのは私だけではないでしょう。

移籍&ルーキー紹介

移籍組やルーキー達も楽しみな2023年シーズンとなりましたね。

移籍組

・フェルナンド・アロンソ アルピーヌ→アストンマーティン
・ピエール・ガスリー   アルファタウリ→アルピーヌ

セバスチャン・ベッテルの引退で穴の開いたアストンマーティンには、チームの将来性を信じたフェルナンド・アロンソが、アルピーヌから移籍。ベッテルの引退発表後、電光石火の移籍発表でした。
そのアロンソが抜けたアルピーヌには、アルファタウリ(レッドブルグループ)から解放された、ガスリーが入ります。アルピーヌは、ガスリーとオコンというオールフレンチ体制です。ジュニアカテゴリ時代からのわだかまりがあり、仲が悪いと言われている2人です。表向きには「それは過去の事。協力してチームを強くする」と言っていますが、コース上の近いところで走れば、ガチンコでやり合うことは間違いないでしょう。

ルーキー

・オスカー・ピアストリ   マクラーレン
・ニック・デ・フリース   アルファタウリ
・ローガン・サージェント  ウィリアムズ

アロンソの移籍発表を受け、アルピーヌから2023年のドライバー起用を発表された、オスカー・ピアストリですが、2023年の正式な契約書をなかなか出してくれなかったチームを見限り、その時には既にマクラーレンと契約済みで、「僕には契約が無いから、アルピーヌでは走らない。」という異例の発表をしたのは、記憶に新しいところですね。
2019年フォーミュラ・ルノー・ユーロカップ、2020年FIA F3、2021年FIA F2、と3年連続で下位カテゴリーのチャンピオンを獲得し、トントン拍子で駆け上がってきた逸材です。アルピーヌのリザーブで腐らせておくのはもったいないと考えた、元F1ドライバーで、マネージャーのマーク・ウェバーの力添えもあり、乗れるかどうか分からないアルピーヌより、高く評価し確実にシートを用意してくれるマクラーレンと契約したのは当然の流れです。周囲の目は少し厳しめになるでしょうが、焦らず地に足付けて良い成績を残してもらいたいですね。

ニック・デ・フリースは、2019年FIA F2チャンピオン、2020年メルセデスのテストドライバーを務めつつ、2020-2021フォーミュラEチャンピオンを獲得しました。2022年にはウィリアムズ、メルセデス、アストンマーティンでFP1に出走し、その年のイタリアGPでは虫垂炎で手術を受けたアルボンの代役で出走し、見事決勝9位でポイントを獲得しました。
その活躍が、レッドブルのドライバー育成責任者のヘルムート・マルコさんの目に留まり、2023年アルファタウリのシートをゲットしました。多種多様なカテゴリーに参戦しつつチャンスを待って、28歳にしてようやくF1のレギュラードライバーとなった苦労人です。これまでの苦労が報われるくらい、活躍してほしいですね。

ローガン・サージェントは、アメリカ・フロリダ州出身の22歳。2015年のアレクサンダー・ロッシ以来、8年ぶりのアメリカ人ドライバーです。マリオ・アンドレッティ以来、パッとした成績を残したことがないアメリカ人ドライバーですが、サージェントはどうでしょう?下位カテゴリーでは「遅くはないよね?」くらいの成績しか残せていないようですが、これからF1に慣れていったときに花開くのか、それともイマイチのまま消えていくのか・・・是非とも花開いていただいて、アメリカでのF1を盛り上げてもらいたい選手です。

スターティンググリッド

予選はレッドブルの圧勝でした。初戦にして、早くも今シーズンのチャンピオンはレッドブルで間違いなしとの声も聞かれるなか、余裕をもってフェルスタッペンとペレスのワンツーでしたね。しかも、レースペースに重きを置いたセットアップで予選に挑んだという話です。他のチームからしたら、たまったもんじゃないですね。

1.フェルスタッペン
2.ペレス
3.ルクレール
4.サインツ
5.アロンソ
6.ラッセル
7.ハミルトン
8.ストロール
9.オコン
10.ヒュルケンベルグ
11.ノリス
12.ボッタス
13.周冠宇
14.角田裕毅
15.アルボン
16.サージェント
17.マグヌッセン
18.ピアストリ
19.デフリース
20.ガスリー

スタート!

ポールのフェルスタッペンは好スタート!トップを守ります。2番手のペレスは蹴り出しが悪く3番手に後退し、代わりにルクレールが2番手に浮上!
今年こそフェルスタッペンに勝負を挑みたいペレスですが、いきなり去年と同じような光景を見る形になってしまいました。ルクレールに引っ掛かったまま、じわじわとフェルスタッペンに引き離されていきます。5周目にして早くもトップと2番手の差が4秒以上に広がっています。

10周目、レースは停滞気味のじょうきょうで、ガスリーがピットイン!ソフト→ハードタイヤに交換してピットアウトです。最後尾まで下がってしまいますが、後方組はトレイン状態になっていましたので、そこから抜けてクリーンエアで走って稼ごうという戦略でしょうか。

11周目、角田裕毅とノリスがピットイン!これもトレインから外れる目的でしょう。2人ともハードタイヤに交換してピットアウト!角田が前でピットアウトしましたね。ノリスにはピット作業で何かミスがあったでしょうか。

12周目、後方グループは続々とピットインしてハードタイヤに交換していきます。

13周目、ハミルトンが先にピットイン!アロンソはラッセルに仕掛ける!オーバーテイクで5番手に浮上!

14周目、ルクレールがピットイン!サインツとラッセルもピットイン、少しミスがありハミルトン、ボッタス、マグヌッセンの後ろ10番手まで下がってしまいました。

15周目、ピアストリがギアボックストラブル?でピットイン。ステアリングを交換するようです。
フェルスタッペンがピットイン!ソフト→ソフトに交換です。アロンソもピットインしこちらはハードタイヤに交換です。ラッセルの前でコースに戻りました。

16周目、ストロールがピットイン!9番手でコースに戻ります。

18周目、ペレスがピットイン!ソフト→ソフトに交換!他の多くがハードタイヤに交換する中、ソフトを使用し、第2スティントでルクレールを攻略したいということでしょう。まだ燃料が重い中、ソフトをどれだけ活用できるか!?
ハードのルクレールをソフトのペレスが追いかける!21周目あたりからファステストラップを連発し差を詰めていきます。

25周目、ペレスがルクレールのDRS圏内に入ってきました。
26周目、ペレスがターン1でルクレールのインにねじ込む!オーバーテイクで2番手に浮上!タイヤの違いで抜いていった形ですが、これが第3スティント終盤にどう絡んでくるのか、今度はルクレールがソフトで追い上げる形になるか、マシンの優位性を活かしてペレスが逃げ切るのか!?

31周目、ハミルトンがピットイン!再びハードタイヤ。7番手で復帰。ストロールもピットイン!ハードタイヤです。8番手で復帰

32周目、サインツとラッセルがピットイン!ラッセルはハードタイヤで7番手で復帰も、直後ストーロールにオーバーテイクされ後退!7番手ストロール、8番手ラッセルです。

アルボン・ガスリー・角田のDRSトレインが度々国際映像に映し出されます。

34周目、ルクレールがピットイン!ハードタイヤに交換し、4番手でコースに戻ります。

35周目、ペレスがピットイン!ハードタイヤに交換、2番手のままコースに戻りました。戦略成功です。アロンソもピットイン!ハードタイヤに交換。6番手でコースに戻ります。

37周目、フェルスタッペンがピットイン!ハードタイヤに交換しトップのまま戻ります。盤石の逃げ切り体制ですね。

アロンソがハミルトンのDRS圏内に突入!ターン1で一気に差を詰める!ターン4で前に出るも、トランクションの違いでハミルトンが再逆転!

38周目、ターン10でアロンソがハミルトンをオーバーテイク!これは芸術的なオーバーテイクでした。3コーナー手前から、クロス・クロスのライン取りで詰めて行き、最後にインに飛び込みましたね。

41周目。ルクレールがスローダウン!マシンがストップしてしまいました!バーチャルセーフティーカーです!パワーを失っています。

ポイント争いをしていたアルボン・ガスリー・角田がピットイン!その後もバトルが続きます。

44周目、4番手アロンソが3番手サインツに詰め寄ります。アロンソはいきなりのポディウムフィニッシュなるか!?DRS圏内に進入です。

45周目、ターン10からの立ち上がりで追い詰め、ターン11でオーバーテイク!アロンソが遂に3番手に浮上!サインツはタイヤが厳しいようで、5番手ハミルトンも後ろから迫ってきます。

この後は大きな動きはなく、上位3人はクルージングですね。ハミルトンもサインツには結局追いつけずですね。

フェルスタッペンが盤石のトップチェッカー!2位ペレスで、レッドブルのワンツーです!そして!アロンソが久々の3位表彰台です!!!派手な花火が上がりました!

アストンマーティンが大躍進の開幕戦でした!歓喜するアロンソの表情はいいですね!

4位サインツ、5位ハミルトン、6位ラッセル、7位ストロール、8位ボッタス、9位ガスリー、10位アルボンでした。

11位の角田裕毅は、終盤3周ほどはアルボンのDRS圏内まで迫りましたが、惜しくもオーバーテイクならず!!残念!!ただ、金曜日~土曜日のイマイチな様子からすると、決勝11位は及第点でしょうか。よく頑張りましたよね。

初戦終了後のコンストラクターズポイントはこちら!

それにしても、今年の開幕戦は、アストンマーティンの話題で持ち切りでしたね。3位表彰台を獲得したアロンソはもちろん、自転車事故によるケガで開幕前テストに参加できず、骨折した両手首にボルトが入ったままの参戦となったストロールも、痛みに耐えながらのドライビングで6位入賞です。これはただアロンソのドライビングがすごいだけではない、マシンの速さが本物であることの証です。レッドブルから獲得したエンジニア、ダン・ファローズの力も発揮されたでしょうか。今シーズンの台風の目となりそうなアストンマーティンに、今後も注目です!

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