F1 2023 第2戦サウジアラビアGP

レースレポート

レッドブルの圧勝に終わった開幕戦から2週間。中東シリーズ第2戦サウジアラビアGPです。

予選では、ミスやトラブルが多く締まらない展開でした。

サージェントは、ターン27でのトラックリミット違反でタイムが取り消されました。
本人も解説陣も、ターン27でどうやってトラックリミットオーバーするんだ?と疑問に思いながらの2回目アタックでは集中力が切れたのか、スピンを喫し、タイムを出せないまま予選終了という、踏んだり蹴ったりの予選となりました。結論、ピットレーン入口近くにあるペイントエリアを踏んだのが、トラックリミット違反となったようです。FIAのアナウンスが「TURN27」となってましたからね。非常に分かりにくかったですね。

ノリスは最終ターン27でイン側のウォールにヒットしてしまい、駆動系の何かを破損したようです。その後マシンを走らせることはできず、万事休す。

角田裕毅は、ボッタスと0.010秒差の16番手でQ2進出を逃しました。バーレーンよりもマシンが合っていると語っていた角田ですが、セクター2の高速コーナー区間が遅かったらしく、ダウンフォース不足が露呈した予選になってしまったようです。

フェルスタッペンは、Q2のアタック中に失速。本人はエンジンがおかしいと思ったようですが、ドライブシャフトの破損とのことでした。

これでポールポジション争いは、アロンソとペレスに絞られたかと思いましたが、フェラーリも黙っておらず、ルクレールが割って入る走り!

ペレスがトップ、ルクレールが2番手、3番手にアロンソとなりました。ルクレールはPU交換のペナルティーで10グリッド降格が決まっているため、アロンソがフロントロウ2番手からのスタートになります。

スターティンググリッドはこちら!

スタート!

1コーナーで2番手スタートのアロンソがトップに立つ!ポールポジションのペレスはスタートの反応は良かったですが、アロンソ意識しすぎたか、ステアリングを左にきってアロンソに寄せて行き、それで少し失速したように見えました。

おっと、アロンソのスタートポジション違反が審議に入ります!

オープニングラップは、アロンソ、ペレス、ラッセル、ストロール、サインツ、オコン、ハミルトン、ガスリー、ルクレール、マグヌッセンのトップ10。フェルスタッペンは15番手スタートから2つ上げて13番手です。角田裕毅も2つ上げて14番手ですね。まずまずのいいスタートです。

ピアストリがフロントウィングを破損してピットインしましたね。これは痛い。最後尾まで下がってしまいました。スタート直後の混戦の中、フロントウィング右側がガスリーのマシンにヒットしてしまい、パーツが飛んでいたようです。

2周目、アロンソに5秒タイムペナルティー!せっかくトップに立ったのに残念!スターティンググリッドから左に少し外れていたようです。その事実をチームから無線で知らされたアロンソは、ただ一言「Copy」(了解)とだけ答えて走り続けています。怒ることもなく冷静な受け答えでした。今シーズンが充実していて、精神的に余裕があるのかもしれませんね。

4周目、ペレスがアロンソをオーバーテイク!トップに立ちます!アストンマーティンに速さがあるとはいえ、やはりレッドブルのレースペースにはかなわなかったようです。難なくサクッと抜いて行きましたね。

6周目、ルクレールがガスリーをオーバーテイクし、8番手に浮上!どんどん上げていきますね。

8周目、フェルスタッペンは早くもトップ10圏内に浮上!周冠宇をあっさりかわしていきました。

9周目、ルクレールがハミルトンをオーバーテイク!7番手に浮上です。

10周目、フェルスタッペンがガスリーをオーバーテイク!9番手に浮上です。

12周目、フェルスタッペンがハミルトンをオーバーテイク!8番手です!

14周目、ストロールピットイン!11番手に下がります。その横のホームストレートで、フェルスタッペンがオコンをオーバーテイクし6番手へ!

16周目、サインツピットイン!ハードに交換しました。

17周目、ルクレールがピットイン!フェルスタッペンが4番手に上がり、前方がクリアになりました!この時点、トップのペレスとの差は約21秒。厳しいですが、残り30周以上あるので、まだ逆転のチャンスが無くなった訳ではありません。

おっとセクター2でイエローフラッグ!ストロールが車を止めました。チームからの指示で止めたようです!セーフティーカーが入ります!

ここまでタイヤ交換をしていない人は、全員ピットインしますね。セーフティーカーが入り隊列が整っていないときにピット作業を済ませば相対的なタイムロスは少なくて済みます。
先にタイヤ交換を終わらせていた人たちは、若干損をしてしまいました。

角田裕毅はミディアムスタートでここまでタイヤマネジメントを頑張って引っ張ってきた結果、セーフティーカーのタイミングのおかげで、全員がピットインを終え隊列を整えた状態で8番手まで浮上しています。真後ろはマシン性能では敵わないアルピーヌのオコンとガスリーです。この2人とは戦えないでしょうから、勝負はその後ろ、11番手のマグヌッセンとのポイント圏内争いとなりそうです!今年のハースのマシンは、アルファタウリより速そうですが、ここは是非頑張ってもらって、ポイントフィニッシュを期待したいところです!

19周目、ペレス、アロンソ5秒ペナルティ消化、フェルスタッペンもピットイン!各車続々とピットに入ります。

21周目、ローリングスタートでレース再開!

24周目、フェルスタッペンがラッセルをオーバーテイク!続けて25周目にはアロンソをオーバーテイクして、遂に2番手に浮上!レッドブルがワンツー体制を築きましたね。

32周目、フェルスタッペンがトラブルを報告。予選と同じく、ドライブシャフトに問題があるのでは?と疑っているようです。

最後は、距離は離れているけどバチバチのバトルが2カ所で見られました。

まずは、3番手のアロンソと4番手のラッセル。アロンソにピットストップ時の5秒ペナルティー消化に問題があり、更なる5秒ペナルティーの可能性を考え、5秒以上引き離そうとするアロンソと、5秒以内に留まろうとするラッセル!
ここはさすがのアロンソでした。レースペースの良さを活かして、最終的にはラッセルを5秒以上引き離してフィニッシュしました!

そして、トップのペレスと、2番手のフェルスタッペン。約5秒の差がある中で、ファステストラップ合戦が勃発!マシンを労り、無事にワンツーフィニッシュしようというペレスと、絶対に優勝を諦めずプッシュし続けるフェルスタッペン、意見の異なるチームメイト同士の間接的なバトルです。レースエンジニアからターゲットタイムを指定されても無視して飛ばすフェルスタッペン。「マックスはターゲットタイムを守ってる?」と聞き、「いや、守っていない。」と言われて、ペレスもプッシュ!
結局チーム側は諦めて「好きにしろ!」ってことに。

2番手フェルスタッペンの方がペースが速かったものの、その差は0.1~0.2秒程度で、トップを走るペレスに追いつくまでは行きませんでした。
ファイナルラップでアタックを行い、ペレスが持っていたファステストラップを、フェルスタッペンが更新!。ボーナス1ポイントを奪い取りました!
ペレスも途中までアタック敢行していたようですが、ミスもあり途中であきらめて、安全にトップフィニッシュすることを選んだようです。

という訳で、ペレスが今シーズン初優勝!2位フェルスタッペン、3位アロンソでした!
現時点のレッドブルは、他チームとは1周あたり1秒以上速い、別カテゴリーのようなマシンで、2レース連続の圧勝ワンツーフィニッシュでしたね。
アロンソは2戦連続の3位表彰台獲得です!バーレーンとは全くタイプの異なる、ここサウジアラビアのジェッダでも速かったアストンマーティン。当面レッドブルに勝つのは難しいですが、2番目のチームでいつづける可能性は十分ありそうです。

表彰台を楽しんだアロンソでしたが、レース後の審議で10秒加算ペナルティーが課せられ、3位をラッセルに譲るはめに・・・レース後のトップ3会見にはラッセルが登場するも、更に約2時間後に裁定が覆り、再びアロンソが3位に戻るというドタバタ劇が演じられました。

アロンソがピットインし、5秒ペナルティーを消化している際に、リアジャッキがマシンに少し触れていたようです。ペナルティー消化中はマシンに触れてはならない規則に反しているということで、これをペナルティーとされました。
しかし、アストンマーティンは、ジャッキ等の工具がマシンに触れてはいけないということは明文化されていないことを主張、更に、過去のペナルティー消化時の、工具がマシンに触れていたけどペナルティーになっていない証拠映像を提示したことで、裁定が覆りました!

昨シーズンに続き、FIAの運営が迷走する場面を見せられてしまいましたね。これがチャンピオン決定のかかったレースではなかったのが、不幸中の幸いでした。

サウジアラビアGP終了後のコンストラクターズ、およびドライバーズランキングはこちら!

コンストラクターズは、もちろんレッドブルの独走です。アストンマーティンとメルセデスが同点で並び、その後ろをフェラーリが追いかけます。
我らが角田裕毅のアルファタウリは、未だノーポイントの9番手チーム。しかも同じくノーポイントで、下にいるのはマクラーレンですから、追い抜かれるのは時間の問題です。角田選手はバーレーン後にマシン性能は10チーム中ドベと言っていましたが、その通りに見えてきましたね。
そんな中2レース連続11位の角田裕毅は、すごく頑張って良い走りをしていましたよね。これを続けてチームを鼓舞し、チームはそれに応えてマシン性能や運営・戦略を向上させていってもらいたいですね。

ドライバーズは、ファイナルラップのファステストで1ポイントをもぎ取ったフェルスタッペンがトップをキープ。1ポイント差の2番手にペレスです。早くもレッドブル独走の気配がしてきた今シーズンですから、せめてペレスが頑張って、バチバチのチームメイトバトルを見せてくれることを願います!
絶好調のアロンソも3番手をキープですね。

こちらは恒例のシャンパンファイトならぬ「レッドブルファイト」

いつも楽しそうにしていますが、こんな場面でもドライバー2人が不機嫌なままになるくらいの接戦を期待したいと思います。

次回は、第3戦オーストラリアGPです。ここもまたタイプの異なるサーキットで、どんな展開のレースになるのか楽しみですね!
それでは!!

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