F1 2023 第4戦アゼルバイジャンGP スプリント

レースレポート
Photo by Orxan Musayev on Unsplash

今季初のスプリント開催となる、アゼルバイジャンGPの土曜日です。直前にレースフォーマットの変更が決定しました。
今までは、金曜日にFP1と予選、土曜日にFP2とスプリント、日曜日が決勝でした。予選の結果でスプリントのスターティンググリッドが決まり、スプリントの順位で決勝のスターティンググリッドを決めていました。
今回は、金曜日にFP1と予選、土曜日にスプリントシュートアウトとスプリント、日曜日が決勝というフォーマットです。
金曜日の予選は、日曜日の決勝のスターティンググリッドを決め、土曜日のスプリントシュートアウトは、スプリントのスターティンググリッドを決めます。スプリントの結果が決勝に影響しなくなることで、スプリントでもアグレッシブなレースができるようにしようとの考えだと思われます。

金曜日の予選で好調8番手だった角田裕毅は、スプリントシュートアウトではSQ1で敗退でした。残り25秒の段階でサージェントがクラッシュしてしまい、レッドフラッグ。そのおかげで最終アタックのコントロールライン直前だった角田は、アタック中断となってしまい、18番手で終了。そこまでまずまずのタイムを出しており、アタックを終えていれば、SQ2には進めていた可能性が高かっただけに、残念な結果でした。

そのクラッシュでマシンに大きなダメージを与えてしまったサージェントは、スプリントを欠場し、マシンの修理に徹するようです。
オコンはピットレーンスタートを選択。今回アルピーヌが持ち込んだアップデートにより、信頼性の問題に直面したことが原因のようです。FP1でガスリーのマシンが燃えていたのも、それなんでしょう。

スプリントシュートアウトの結果は以下の通り!

前述のとおり、サージェントが欠場、オコンがピットレーンスタートを選択したため、その後方マシンはそれぞれ繰り上がりグリッドからのスタートとなります。

金曜日の予選からパルクフェルメルール下にマシンが置かれるため、セッションを重ねるごとにマシンが仕上がっていくことが無いのが、スプリントフォーマットの残念なところです。ですが、緊張感のあるセッションが続くこのフォーマットは、見ている側からすると、なかなか楽しめますね。
あとは、中段グループがスプリントをどこまで本気で走るのか?それ次第で、スプリントの面白さは変わってくる気がします。大きなポイントは稼げないスプリントで入賞望み薄のチームは、決勝に向けてのデータ取りに徹して、スプリントの順位は完全無視してしまう可能性があります。

ノリスとボッタスがソフトタイヤ、その他のドライバーはミディアムタイヤでのスタートです。

スタート!

ポールのルクレール、2番手ペレスは順調にスタートし、トップのままターン1に入って行きました。その後ろ4番手のラッセルが前のフェルスタッペンに横並びでしつこく食い下がり、ターン3後の立ち上がりで遂にオーバーテイク!バトル中に少しヒットして、デブリが飛び散った様子が見えましたが、両者マシンは無事でしょうか?

どうやらターン2でラッセルの右フロントが、フェルスタッペンの左サイドポッドに当たり、穴が開いてしまったようです。これでは空力がうまく働かないので、厳しいレースになりそうです。

1周目、角田裕毅が右リアタイヤにダメージを負って、タイヤが外れて坂道コロコロ・・・バーチャルセーフティーカーです。デフリースとのバトルで、フロントウィングの左側に当てられ、ダメージを負った状態でアンダーステアが出てしまい、曲がり切れず壁にヒットしたようです。オーバースピードには見えなかったのに、曲がり切れなかったので不可解に思っていましたが、フロントウィングの左半分を失っていたんですね。アルファタウリと角田選手にとっては、散々な土曜日になってしまいました。

チームはピットに呼び戻し、タイヤとノーズを交換してコースに送り出しましたが、リアサスペンションが曲がっており、まっすぐ走ることもできず、フラフラノロノロ行っています。
その後セーフティーカーに切り替えられました。

6周目リスタート!4番手に下がっていたフェルスタッペンが、前のラッセルの真横でコントロールラインを通過!そのままターン1のイン側を制してオーバーテイクしました。

この時点トップはルクレール、2番手ペレス、3番手フェルスタッペン、4番手ラッセル、5番手サインツ、6番手アロンソ、7番手ハミルトン、8番手アルボン、9番手ストロール、10番手ノリス、のトップ10です。

8周目、2番手ペレスがターン1でトップのルクレールに襲い掛かり、オーバーテイク!トップに立ちました!DRSが解禁になってから速攻で抜いて行きましたね。やはりレースペースでは優れたペースを示すレッドブルと、タイヤのデグラデーションに苦しむフェラーリという図式が明確になりました。

その後は、ノリスがギャンブルで選択したソフトタイヤがたれてしまい、ズルズルと後退していってしまった以外は大きな動きはなく、淡々と進むレースとなりました。スプリントの結果が決勝のグリッドに影響を与えなくなった今回でも、やはりみんなリスクは冒さず、確実にマシンを持ち帰る、又は決勝レースに向けてのロングランテストの位置づけで走っているようですね。

最後の大きなアクションは、9番手のストロールが8番手のアルボンをオーバーテイクし、ポイント圏内に飛び込んだシーンでした。

ゴール!

ペレス、ルクレール、フェルスタッペン、ラッセル、サインツ、アロンソ、ハミルトン、ストロールまでがポイント圏内で、そのままゴール!
ペレスが初のスプリント制覇です!一発の速さはあるものの、レースペースに難のあるルクレールは2位、マシンにダメージを負いながらもルクレールを追いかけたフェルスタッペンが3位でした。

バトルでスペースを残さなかったラッセルに怒り心頭のフェルスタッペンは、パルクフェルメでラッセルを呼び止めて抗議します。あしらうような態度のラッセルに腹を立て、放送禁止用語を交えながら罵るフェルスタッペンでした。2年前まではフェルスタッペンがハミルトンに対してやっていたような走りですが、チャンピオンになったフェルスタッペンは立場が変わりましたね。

スプリント後のドライバーズランキングはごらんの通り!

まだまだレッドブルの牙城を崩すのは、フェラーリをもってしても難しそうというのが露わになってしまったスプリントでした。
決勝レースの展開も、うっすら見えてきてしまうような内容でしたが、果たしてその予想を裏切るような楽しい展開はあるでしょうか。
角田選手を応援する我々日本人にとっては、スプリントでリタイアしたことが決勝に影響せず、8番手スタートで決勝を迎えられることは、この新フォーマットのポジティブな面と捉えることができる点かもしれませんね。決勝レースの楽しみが無くならないでよかったです。
それでは、日曜日の決勝51周のレースも、楽しんでいきましょう!

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