F1 2022 第5戦マイアミGP 決勝

レースレポート

初開催マイアミGPの決勝です。NFLマイアミ・ドルフィンズの本拠地、ハードロックスタジアムの敷地を利用して作られた新サーキット。フリー走行~予選を見る限りでは、路面の状況が悪く、レーシングラインを外れるととても滑りやすい模様で、決勝でのオーバーテイクは困難なのではないかと予想されます。
予選ではフェラーリがルクレール-サインツで1-2、レッドブルがフェルスタッペンーペレスで3-4とチーム順に並びました。ここから2チームの激しい優勝争いとなるか、はたまたフェラーリが圧倒的に支配するレースとなるか!?抜きやすそうで、実は抜きにくいコースなので、スタートとセーフティーカーのタイミングが鍵になりそうです!

スタート

ポールポジションのフェラーリ・ルクレールは順調な蹴り出しでトップを堅持しました。2番グリッドのサインツがほんの少し出遅れたところ、素晴らしいスタートを見せた3番グリッドのレッドブル・フェルスタッペンがターン1,2でうまくサインツの左サイドに入り込みオーバーテイク!2番手に浮上しました!

8周目、2番手フェルスタッペンがトップのルクレールの1秒差以内に迫り、9周目のホームストレートでDRSオープン!難なく抜いて行きました。スタート直後から、付いて行きながらもあまり無理はせず、じわじわとプレッシャーをかけ、ルクレールのタイヤが垂れてきたところで一気にオーバーテイクしました!
これは、マシンの速さもさることながら、ディフェンディングチャンピオンの風格を感じる走りでしたね。

27周目サインツとペレスが同時ピットイン!サインツの右フロントタイヤ交換に手間取っている間にペレスが忍び寄る形でピットアウト後は約5秒差に!ハードタイヤでどこまで戦えるかの勝負です。

41周目、アロンソとの接触でマシンがおかしくなりスローダウンしていたガスリーに、マクラーレンのノリスが衝突!右リアタイヤをガスリーの左フロントタイヤに引っかけた感じです・・・タイヤが壊れてホイールから外れるほどの衝撃でした。ノリスはリタイアです。ちょっと走行ラインが楽観的過ぎたように見えました。できるだけタイムをロスしないようにオーバーテイクしたい気持ちは分かりますが、当たってしまっては意味が無いですからねー。相手は、まともに走らないマシンをノロノロ走らせていたガスリーです。ブロックする気もなかったでしょう。もう少しスペースを開けて抜いて行くべきでしたねー。ガスリーも、もうまともに走らないなら、もっとあからさまにラインを外して後続車にラインを譲るか、さっさと安全な場所にマシンを止めてリタイアするという手もありましたよね。
お互いさまの事故でしたので、スチュワードはペナルティーを出しませんでした。

42周目、バーチャルセーフティーカーからセーフティーカーに切り替わり、その間にペレスがタイヤ交換!新品ミディアムタイヤ且つ4番手キープでコースに戻りました!隊列を整えてからのリスタートになりますので、フレッシュタイヤのペレスは3番手のサインツをオーバーテイクするチャンスです!

47周目リスタート!いよいよ最終決戦!
早速ホームストレートでペレスがサインツにオーバーテイクを仕掛けました!しかし抜くことはできず。その他上位勢は大きな波乱なくきれいなリスタートでした。
2番手ルクレールは、DRSが使えるようになるまでトップフェルスタッペンとの差を1秒以内にキープし、何度か仕掛けるもオーバーテイクには至りませんでした。

52周目、4番手ペレスがターン1で強引にサインツのインにマシンをねじ込みました!しかし、オーバースピードで曲がり切れず、すぐに抜き返されました。ナイストライですが、ちょっと強引過ぎましたねー。サインツは3位をキープです。

残り4周あたりからはフェルスタッペンが他を寄せ付けない走りで、ファステストラップをたたき出しながら後続を徐々に引き離していきました。じわじわと2番手ルクレールを引き離し、結局は危なげなく1位をゲット!

トップ10の順位はこちら!

順位だけで言うと、レッドブルとフェラーリのがっぷり四つでした。1位フェルスタッペン、2位ルクレール、3位サインツ、4位ペレスです。
そして、ポーパシングに悩まされて不調のメルセデス。トップ4とは(実力的に)大差の5位ラッセル、6位ハミルトンですね。
ラッセルは予選12位からの巻き返しで5位をゲットしました。ハードタイヤスタートで出来るだけ引っ張る戦略でした。そして、チームから「タイヤ交換する?」と問いかけられた際に、「セーフティカーが出るかもしれないし、もう少し待ってみよう」と進言しました。その後本当にセーフティーカーが出るという、ラッセルには幸運な出来事があり、そのタイミングで他車がスピードを落として走行する中、ピットイン・タイヤ交換することでピットによるタイムロスを大幅に軽減できました。これで、タイヤ的に優位に立ったラッセルが、チームメイトのハミルトンとのバトルを制してオーパーテイクしましたね。

マイアミの厚さの中、レース後には消耗しきっていたフェルスタッペンですが、表彰台では嬉しそうなこの表情!

ドライバーズランキングは以下のとおり。トップのルクレールと2番手フェルスタッペンの差は、1レースで逆転のあり得る19ポイント差にまで縮まってきました。
ペレスもフェルスタッペンと19ポイント差の3番手に位置しており、レッドブルはチームとしても良い位置につけていますね。

という訳でコンストラクターズランキングは以下のとおり。
未だフェラーリがトップではありますが、2番手レッドブルとの差は6ポイント。差は無いに等しい状況になってきました。

初開催のマイアミGP。路面状況や、低速区間のコースレイアウト等、改善の余地は色々ありそうですが、それを補って余りある大盛況のイベントでした。アメリカの陽気で豪快に楽しんでいる雰囲気は、F1にまた新しいポジティブな風を吹かせてくれたように思います。
ありがとうマイアミ!

次はヨーロッパに戻っての第6戦スペインGP。
第2の開幕戦とも言われるこのレースで、多くのチームがマシンの大型アップデートを予定しているようです。それでまたガラリと勢力図が変わるのか。それとも・・・
今度は伝統の一戦、しかも冬のテストで使用され、各チームが豊富なデータを持っているバルセロナのカタルーニャサーキット。ここで速いマシンはどこでも速いと昔から言われていますので、今後のシーズンを占う上でも重要な一戦になりそうですね。

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